10月の半ば過ぎ、部屋の窓を開けたとたん、爽やかな秋の風がいっぱいの金木犀の香りを運んできた。ふとみると、すぐ前の公園の金木犀が満開になっていた。「秋がきたのね」あの甘い、そして、どこか懐かしい香りを嗅ぐと、秋の訪れを実感する。つい先日まで残暑が続いていたのに。アタシにとって、金木犀の香りは、秋の道標。金木犀は、申し合わせたように、ある日一斉に香り出し、そしてある日、一斉に終わる。そうこうしている...