俺から見たバルセロナ対グラナダ

第20節、バルセロナ対グラナダです。

 

バルサは監督がキケ・セティエンに代わっての初試合です。

 

前半

バルサはロングボールを一切使わず、テア・シュテーゲン+DFライン(ウムティティ、ピケ、セルジ・ロベルト)+ブスケツでボールを回します。グラナダはトップと前線3人でプレスをかけようとしますが、ダイレクトも交えた速いパス回しで翻弄。ファールでしか止められません。

 

守備でも、前線から激しくプレス。メッシもプレスに走る貢献を見せます。

 

明らかに監督がキケ・セティエンに交代し、戦術の変更が見てとれます。

 

開始からバルサが主導権を握ります。

 

6分、中盤でダイレクトパスをいれながらボールをつなぎ、グリーズマンから右のファティへパスが通ります。ファティはドリブルで仕掛けてDFをかわしてシュート。ルイ・シルバがセーブ。こぼれ球をメッシが詰めようとしますが詰め切れません。

 

10分、中央でメッシがボールをキープし、左サイドをオーバーラップしたアルバにスルーパス。アルバは中央のファティへパス。ファティはDFに寄せられながらもトラップからアウトサイドシュートを放ちますが枠の上に外します。

 

13分、メッシがゴール正面からフリーキック。ニアの上を狙いますが、わずかに枠の上に外します。

 

18分、ビダルからバイタルエリアのメッシへパスが入ります。メッシは左に流れながらシュート。DFに当たりますが、再び拾って左サイドからマイナスのクロス。ビダルが受けてシュートも当たり損ねてルイ・シルバが難なくキャッチ。

 

21分、左サイドのラキティッチが寄ってきたメッシにパス。メッシはダイレクトでスルーパス。アルバが抜け出し、DFとGKの間にクロス。ファーサイドのファティが走り込みますが空振りをしてしまい、絶好機を逃します。

 

27分、グラナダはウムティティの縦パスをカット。カルロス・フェルナンデスが拾ってドリブルからミドルシュート。枠の右へ外れます。

 

44分、中盤でグリーズマンがくさびを受けてメッシに落とします。メッシは前方の左中央のバイタルエリアにいたラキティッチにパス。ラキティッチは左をオーバーラップしたアルバにスルーパス。アルバはマイナスのクロスを送り、メッシがダイレクトで合わせますがニアサイドネットの外に外れます。

 

完璧に崩した形でしたが得点には至りません。

 

バルサが前半すべて主導権を握りながらも得点が奪えず、0-0で折り返します。

 

後半

前半同様、バルサが主導権を握る立ち上がり。

 

49分、右サイドからファティが仕掛けてDFを引き付け、中央右のメッシにパス。メッシは中に持ち出しミドルシュート。わずかに枠の左へ外れます。

 

51分、メッシ、ラキティッチがパス交換をしてDFを揺さぶり、グリーズマンに楔を入れます。グリーズマンはラキティッチに落とし、ラキティッチが強烈なミドルシュート。枠の左に外れます。

 

53分、ビダルが敵陣右中央でボールをカットしてバルサのショートカウンター。ビダルは中央のメッシにボールを預けて前へ。メッシはDFを引き付けてビダルにリターンパス。パスが少し長くなりシュートを打つには角度がなったところを、ルイ・シルバが距離をつめます。そこでビダルはクロスを切り替えます。しかし、中央には誰もつめておらず、DFがクリアします。

 

65分、グラナダは高い位置でボールをカットし、ゴール正面からヤン・エテキがミドルシュート。左ポストに嫌われます。

 

グラナダは絶好機を逃します。

 

67分、右サイドから左中央のラキティッチへボールをつなぎ、ラキティッチはスルーパス。グリーズマンが走り込み角度のないところからシュート。ルイ・シルバがセーブします。

 

69分、ヘルマン・サンチェスがこの日2枚目のイエローカードで退場。グラナダは10人になります。

 

75分、左サイドからアルバが苦しい体勢からクロスを上げますがはじき返されます。しかし、リキ・プッチがすぐにプレスをかけて奪い返し、後方のブスケツへパス。ブスケツは中央のメッシへパス。メッシは前方左のグリーズマンに鋭い楔を入れてゴール前へ走り出します。グリーズマンは中央へフリック。ビダルがトラップからヒールパス。走り込んだメッシが右足で合わせてゴール左へ流し込みます。ルイ・シルバはタイミングを外され一歩も動けませんでした。

 

バルサがとうとう先制します。

 

78分、バルサがパスを回してグラナダを押し込み、中央左でパスを受けたブスケツが、捌くと見せてドリブル開始。虚を突かれた中盤を抜けてバイタルエリアに進入。DFを引き付けて中央のメッシにパス。メッシはダイレクトでミドルシュート。ルイ・シルバがセーブします。

 

81分、グラナダ陣内でパスを回していたバルサですが中央のリキ・プッチが右サイドのメッシにパスミス。フルキエがボールを回収します。リキ・プッチは自分のミスを取り返そうとプレスを開始。しかし、メッシがすぐさま反応してリキ・プッチにポジショニングの修正を手で指示。メッシ自身は斜め前のパスコースを切り、内側をリキ・プッチに切らせて、カルレス・ペレスが後方のパスコースを切ります。フルキエは縦パスを選択。そこには「待ってました!」とセルジ・ロベルトがパスカット。

 

メッシがこの時間帯に献身的にプレスをかけること、そして味方にプレスの指示を出すことなど今まで見たことはないと思います。とても印象的なシーンでした。

 

83分、メッシの落としを受けたリキ・プッチが自陣からドリブルで持ち上がりペナルティエリア手前まで侵入。リキ・プッチはDFを引き付けてから、左サイドの大外から中に走り込んだグリーズマンにラストパス。グリーズマンは左45度からシュートを放ちますが、枠の左へ外します。

 

91分、マチスがバルサ陣内ペナルティエリアの外でボールを奪い反転してミドルシュート。テア・シュテーゲンが正面でキャッチします。

 

試合は1-0でバルサが完勝しました。

 

気になったプレーヤー

バルセロナ

#31ファティ

とても活き活きとプレーをする。メッシがデビューしたころを思い出しました。ロナウジーニョやシャビ、デコなどがパスを回しても崩そうとしている中、メッシはパスが回ってきたら1人でドリブルを仕掛け局面打開を図っていました。周りの選手が文句を言わないのがすごいなと思いましたが、今のファティもそのような状態なのかもしれません。今後の成長に大いに期待したいです。

 

#5ブスケツ

チームがロングパスを使わずショートパス、ダイレクトパスを多用するようになったことで本来のポジショニングの良さで、ボールをはじき、攻撃のリズムを作る。守備でも前からどんどんプレスをかけてくれるので、鋭い読みでボールを回収し続ける。今シーズン最高の出来。本来のブスケツが戻ってきました。

 

#23ウムティティ

前からプレスをかけて縦パスをカットしに行くにはウムティティのフィジカルの強さが生きてきます。こちらも復調をアピール。

 

#20セルジ・ロベルト

右SBというよりは、右CB。ビルドアップの担当という感じでした。またもや新ポジションを開拓した感じになりました。サッカーIQの高さが光りました。

 

#18ジョルディ・アルバ

左WBか左SHという感じで、押し込まれたら左SBに早変わり。この試合では、メッシ以外のチームメイトからもいいパスを受ける。戦術の変更で大きな恩恵を受けました。

 

#17グリーズマン

ぎこちない連携が違和感ないレベルまでスムーズになる。フリーランニングを使ってもらえるようになり、ボールに関わる回数が増えたことが好影響をもたらした。

 

#4ラキティッチ

今までのバランサーとしてだけでなく、縦横無尽にピッチを駆け回り、攻撃の活性化に貢献。

 

#22ビダル

ハードワークだけでなく、パス回しでもビルドアップに貢献。器用な選手だと思っていたけど、これほどやるとは思っていませんでした。

 

#28リキ・プッチ

今まで見た試合では時折いいパスを出す才能ある選手でしたが、この試合では、常にパスコースに出て前を向けるボディシェイプを心掛け、事前にパスコースを見つけて考えてプレーする判断の早さも見せました。シャビやイニエスタに連なる選手になってほしい。

 

#10メッシ

常にというわけではないけれど、前から献身的にプレスをかける姿にびっくり。メッシがプレスをかけ始めたら、他の選手は絶対にサボれない気がします。攻撃でもバイタルエリアでボールを受けて攻撃の中心として活躍。ゴールも素晴らしかった。

 

グラナダ

#1ルイ・シルバ

ファインセーブはなかったけど、手堅いセーブを見せる。

 

総括

バルセロナ

キケ・セティエンの手腕に脱帽。戦術的な変更だけでなく、メッシを守備で走らせたことが監督としての器の大きさを物語っています。

 

戦術もバルサの哲学に則り、ボールを保持し攻め続けました。

 

ペップ・バルサを彷彿とさせるスタイルを継承。

 

①パスを回して攻撃で相手を圧倒する。

②攻め続けるためにはボールを保持する。

③ボールを奪われたらすぐに奪い返す。

 

相手守備ブロックのライン間にポジションをとる⇒くさびのボールを入れる意識を植え付けました。また、楔が入ると周囲の選手が連動して動き出し、次のパスコースを作ります。スムーズにいかない場合は、ボールを戻して攻撃をやり直します。同時にダイレクトパスを多用して相手を走らせて疲弊させていました。

 

バルサファンにはたまらない試合になりました。

このスタイルだと、相手にプレスかわされるとカウンターを食らったり、ビルドアップでボールを奪われてショートカウンターを食らったりしてビッグチャンスを与えることもありますが、それを食らって失点してもバルサファンならば、当たり前の光景。

 

それが原因で負けても、自分たちのスタイルを貫いた結果なので「良し」とします!!

 

私の一押し(俺から見たエスパニョール対バルセロナ参照)のキケ・セティエンが監督に就任して本当に良かったです。

 

グラナダ

バルサのボールポゼッションを高めたサッカーに主導権を握られ、何もできずに終わる。ポスト直撃のシュートもあったが、チームとしてはほとんど何もさせてもらえなかった。

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