☆ユニフォームの記憶(3)~金足農業~


先日、甲子園歴史館を訪れ、展示されていたあるユニフォームを見て記憶がよみがえった。
それは、1984年(昭和59年)第66回夏の全国大会に初出場(春の選抜大会にも初出場)を果たした秋田の金足農業である。
この大会は、『KKコンビを擁するPLを倒すチームは現れるか?』に注目が集まった。

金足農は1回戦でいきなり強豪の広島商と対戦。6 - 3 で夏の甲子園初勝利を挙げると、続く2回戦では大分の別府商に 5 - 3 で勝利。
3回戦は佐賀の唐津商に 3 - 4 とリードされた9回表に3点を取って逆転勝利し準々決勝に進出。
準々決勝は新潟南を 6 - 0 と水沢、斎藤の完封リレーで勝利。

準決勝ではPL学園と対戦。
1回表、いきなり金足農が先制してゲームをリードする。金足農のエース水沢は低めに決める直球と切れのあるカーブでPLの強力打線を抑え、5回を終わって 1 - 0 と金足農リードで折り返した。
6回裏、PL中村監督は、代打の切り札の清水哲を起用した。これが的中し、清水哲はヒットで出塁。続く4番清原には強攻させたが、あっさり外野への凡フライに倒れた。1死1塁で、バッターは桑田。桑田の打球はサード正面へ強烈なゴロ。これをサードの大山がはじいて、1死1、2塁となった。続いて打席には、この日当たっている6番北口。北口は外角の球をうまくおっつけて、ライト線へタイムリーツーベース。この同点劇で金足農もここまでと思われた。
しかし、その直後の7回表、2死2塁から、7番原田がこの試合金足農打線が徹底して見せた叩きつけるバッティングでピッチャー返し。これを珍しく桑田がはじいき、無人の三遊間に転がり、金足農が1点を奪い勝ち越し。
さらに8回表も金足農は1番工藤のヒットなどから2死1、3塁のチャンスを迎えた。ここで金足農ベンチはダブルスチールを敢行。しかし、これはPLバッテリーに見抜かれ失敗に終わった。
そして8回の裏、運命のイニングスを迎える。PLはランナーを1塁に置いてバッターは5番桑田。水沢が投じた大きなカーブを振り抜くと、打球はレフトポール際に飛び込み勝負が決まった。

金足農  1 0 0 0 0 0 1 0 0 = 2
PL学園 0 0 0 0 0 1 0 2 x = 3


金足農業は甲子園に出場した農業高校の中では最高となるベスト4の成績を残し、また、PL学園をあと一歩のところまで追い詰めた記憶にも残るチームであった。





以上です。

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