☆箱根駅伝優勝校放浪日記~大会新記録で2年ぶり総合優勝・東洋大学~


東洋大学、完全優勝おめでとうございます!(^ω^)


 


さて、我らが読売巨●軍の元エースである斎藤雅樹投手は、1993年から1997年まで5年連続で開幕投手を務め、1994年から1996年まで3年連続完封勝利を飾っていた。
1997年も我らが読売巨●軍は、斎藤、ガルベス、槙原、桑田、宮本、岡島などの充実した投手陣と、松井、清原、広沢の純国産大砲クリンナップに加え、カステヤーノ、ルイスの強力助っ人により優勝に死角はないと思えた。


その年の開幕三連戦の相手は、前年4位と低迷した野村監督率いるヤクルトであった。
前年度のヤクルトは、巨●に7勝19敗と大きく負け越しており、特に開幕投手であった斎藤雅樹投手には0勝6敗と一試合も勝てずに完全にカモにされていた。
両チームには圧倒的な戦力の差はあったが、野村監督は巨人につけこむ弱みはあると考えた。
エース級のピッチャーやホームランバッターは、他の選手と違ってプライドが高く、もし、これが崩れるといつもの力を発揮できなくなると見抜いていた。
また、強者を倒すために、徹底した情報収集と情報分析がなされており、斎藤雅樹投手は昨シーズン多くの場面でカウント3ボール1ストライクからカーブでストライクをとりにくるというデータ分析が全員に周知されていた。
野村監督は、斎藤雅樹投手と戦う開幕戦を単にシーズンの一試合でなく、「135試合分の135なんだ!この開幕に勝てばシーズンを制するも同じだ!」と選手に檄を飛ばし試合に臨んだ。
その結果、広島から移籍してきた小早川選手が三打席連続ホームラン、特に二打席目はデータ通りカウント3ボール1ストライクからカーブを狙い撃ちし、ヤクルトが見事に快勝し開幕戦を白星で飾り、その年は83勝を挙げてシーズンを制した。






野村監督は、就任一年目に「弱者の戦法」のひとつとして年に一度使うか使わないかのトリックプレイの練習をキャンプで行った。
こういった奇策の効力は、相手チームに与える以上に自チームの選手に効果を発揮する。
「うちは他のチームより進んだ野球をやっている」という思いを生み、さらにデータを基に具体的な戦略法を授けると、「それなら自分にもできそうだ」という気にさせることができる。選手の監督に対する尊敬と信頼が芽生え、他チームに対しては優越感のようなものが生じる。これがチームにとって大きな効果を生み戦力となる。
こうした作戦を自分たちのものになるまで練習しておくことによって、他チームが持っていない独自性のある「強み」となる。さらにこうした作戦が奏功したときに、「自分たちはやれる」という自信がもたらされる。



 


このような野村監督の戦略は、以下のように置き換えられます。


ステップ1 現状の認識
・必要な情報を収集する。
・収集した情報を分析し、そこから「現状」を認識する。


ステップ2 課題の設定
・現状を認識した上で、何が問題か、何が原因か、どうしたら望ましい状態になるかを考える。
・考えた上で、チームとして取り組むべき課題を設定する。


ステップ3 方策の立案
・課題に取り組むための具体的な手段・方法を設計する。


ステップ4 実行・評価
・実行した場合の結果・影響を想定する。


 


これを具体的に巨●との開幕戦に置き換えてみます。


ステップ1 現状の認識
・昨シーズン巨●に7勝19敗と大きく負け越した。
・斎藤投手には0勝6敗と完全にやられた。
・斎藤投手にはカウント3ボール1ストライクと投手不利になっても簡単にカーブでストライクを取られている。



ステップ2 課題の設定
・このままでは今年も斎藤投手にやられてしまう。その結果、今年も優勝などできない。
・「こう投げれば打たれない」というパターンを確立されてしまっており、斎藤投手から見下されている為である。
・巨●からは斎藤投手が投げればヤクルトに負けるわけがないと思われている。
・巨●に対する負けパターンを打破する必要がある。




ステップ3 方策の立案
・開幕戦で斎藤投手をたたき、勝利する。
・「こう投げれば打たれない」と斎藤投手が思い込んでいることを逆手にとる。
・トリックプレーなど、戦力の充実したチームには思いもよらないような作戦をここぞというときに使う。



ステップ4 実行・評価
・敵が一番自信を持っている勝ちパターンを初戦で壊す。(敵の強みを壊すことでシーズンを通じて有利に戦える)
・負け犬根性を払拭、逆に敵をのんでかかれる。



野村ID野球は、徹底したデータ収集だけでなく、敵・味方の強み・弱みに着目した論理的な分析と、課題設定・方策立案にあるのではないでしょうか。


 


強み・弱みの分析を通じて戦略立案をするツールとして、以前にyamacさまが紹介された「SWOT分析」があります。
SWOT分析とは、1920年代からハーバードビジネススクールのビジネスポリシーコースの一部として開発されてきた、ハーバードポリシーモデルの一部で、企業や個人の目標が明確である場合、SWOT分析は戦略計画ツールとして有用である。
この場合、SWOTは以下のように表される。


強み(内部要因):組織(個人)の持っている強み。
弱み(内部要因):組織(個人)の持っている弱み。
機会(外部要因):外部(市場)に存在する新たな機会(チャンス)。
脅威(外部要因):外部(市場)に存在する潜在的な脅威(ピンチ)。



的確な意思決定にはSWOTの正しい理解が必要である。意思決定者は与えられたSWOTを元に目標が達成可能であるかを判断し、達成が不可能であると判断した場合、別の目標を元に、再度SWOT分析をやり直す必要がある。
達成が可能であると判断した場合、以下のように方策を立案します。


1.「強み」で「機会」をモノにする。
2.「強み」で「脅威」を克服する。
3.「弱み」の克服で「機会」を活かす。
4.「弱み」の克服で「脅威」を避ける。



SWOT分析は、会計、営業、経営者、エンジニアなどの構成チームにより行われることが理想的である。



仮に野村監督がSWOT分析で巨●との開幕戦の作戦を立てたとするとこのようになりまか?


強み
・充実したデータ量
・データに基づく考える野球


弱み
・大投手、大打者がそれほどいない


機会
・他球団のエース級は巨●戦に登板する
・巨●のように戦力の整っていない球団が他にもある


脅威
・巨●という飛びぬけた戦力を持つ球団の存在



方策立案


1.「強み」で「機会」をモノにする。
⇒巨●戦以外の勝率を上げる。


2.「強み」で「脅威」を克服する。
⇒斎藤投手をID野球でたたき、敵の強みを壊す。


3.「弱み」の克服で「機会」を活かす。
4.「弱み」の克服で「脅威」を避ける。
⇒トリックプレイなど、弱いなりの作戦で敵の不意をつき勝ちにつなげる。



ライバルにどうしたら勝てるかという問題意識の高さが、さまざまなデータや情報への感度を高めるのでしょう。
皆様も、ぜひ高い当事者意識をもって、このようなツールを使い、ライバルに勝つ戦略を立てて下さい。
これで、杉内投手の攻略も万全です!



 



以上です。





































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