【私選】平成の沖縄高校野球名勝負・ベスト10<甲子園編>その1(第10~6位)

 

第10位 浦添商業 12-9 千葉経大附属(2008年選手権・二回戦)

 

                  【短評】

 

 県大会決勝にて、選抜優勝の沖縄尚学を下した浦添商の強さ。さらには、沖縄高校野球の底力を見せ付けた一戦。

 こちらも選抜4強、当時凄まじいパワーを誇った千葉経大附属を力でねじ伏せる。

 二本塁打を浴び9失点を喫したものの、そこからの浦商主戦・伊波翔悟の“気迫”が印象的。とりわけ最終回の連続三振は圧巻だった。

 県全体のレベルとしては、この2008年が間違いなく過去最強だろう。何せ選抜、選手権と別のチームが、それぞれ4強以上まで勝ち進んでしまったのだから。

 

 

第9位 興南 4-5 関東第一(2015年選手権・準々決勝)

 

                  【短評】

 

 オコエ瑠偉擁する“タレント軍団”関東第一に対し、二年生左腕・比屋根雅也が主戦を務める興南の健闘が光った。

 この時の興南は、申し訳ないが県内でも図抜けて強い存在ではなく、どうしても2010年のチームと比べてしまい、技術的にも精神的にも、粗削りで未熟さが目に付いた。

 ただ、そんなチームが甲子園の強豪相手に必死で喰らい付く姿には、胸を打つものがあった。九回表にオコエの一振りで突き放されるが、その裏一点差に迫る粘り。“新生”興南の可能性を見せ付けた。

 

第8位 八重山商工 6-7 横浜(2006年選抜・二回戦)

 

                   【短評】

 

 敗れはしたものの、痛快な一戦。地元・石垣島のメンバーだけで構成された八重山商工の“悪ガキ軍団”が、エリート揃いにして大会の優勝校・横浜を、土俵際まで追い込んだのだから。

 安打数では、8対14と圧倒。大嶺裕太に代わってからは、強打の横浜打線をノーヒットに抑え込んだ。押せ押せだった八回の走塁ミスがなければ。あるいは、九回に三塁手の送球が少しでも逸れていれば……と、タラレバは尽きない。

 後に明らかになったのだが、横浜の“名参謀”として名高い小倉清一郎部長は、この八重山商工を相当警戒していたらしい。「大嶺君が投げていれば1-5くらいで負けていた」と答えている。

 エリートチームに対し、これほどギリギリの試合を演じて見せた八重山商工ナインに、天晴の一戦である。

 

第7位 興南 10-5 日大三(2010年選抜・決勝)

 

                   【短評】

 

 どうしても夏の報徳戦の印象ばかり強くなってしまうが、こちらも名勝負。

 大会ナンバー1左腕・島袋洋奨に対し、持ち前のパワーで正面から対抗してきた日大三高各打者も見事。技の興南が集中打で5点を奪い逆転すれば、日大三も、2本塁打などで食い下がり、六回を終えて5-5とまったくの五分。

 緊迫した展開の流れを変えたのは、十一回裏。日大三の送りバントを二度封殺した、島袋の見事なフィールディングである。最後は三振で締め、十二回表の猛攻へとつなげた。

 日大三にしてみれば、ここは強気でフルスイングしても良かったかもしれない。自分達の持ち味を束の間忘れてしまったことが、相手に流れを渡す一因となった。

 また、十二回裏二死より、興南の“苦労人”大湾君がサードのポジションに就いたシーンも、事情を知る関係者には感動的なシーンだった。

 

 

第6位 宜野座 4-2 浪速【延長十一回】(2001年選抜・準々決勝)

 

                   【短評】

 

 二十一世紀枠「宜野座旋風」の象徴的試合と言えるだろう。

 パワーヒッター揃いの大阪代表・浪速の各打者が、宜野座の先発・比嘉裕の緩急を使った、いわゆる“宜野座カーブ”を駆使した投球の前にばったばったと仕留められていく様は、まさに痛快だった。

 また、十回裏の無死三塁という絶体絶命のピンチを切り抜け、そこから十一回表の四番・山城尚悟の勝ち越し2点タイムリーへと続く一連の流れは、カタルシス溢れるシーン。

 準決勝では仙台育英に完敗するも、夏にはその仙台育英を逆のスコア(7-1)で下すという、またも痛快な番狂わせをやってのける。まさに“宜野座旋風”の面目躍如だった。

 

※「その2」へと続きます。乞うご期待!

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