(※はてなブログより転載)興南の”新トルネード左腕”宮城大弥の、少し気の毒だった点 <2019年選手権・沖縄県大会>

 0.はじめに

 

 我が地元・沖縄の高校野球界は、今はっきりと“低迷期”にあると言ってよい。

 

 とりわけ興南が8強に進出した2015年夏以降、過去三年間で県勢の夏の甲子園での勝利は、僅か2つ。春の選抜においては、4年間も勝利はおろか出場すら果たしていない。

 

 そんな中――まさに孤軍奮闘を続けているのが、夏の県大会二連覇中の興南であり、その中心に立つのが、“新トルネード左腕”として名高い宮城大弥である。

 

1.“元祖トルネード左腕”の凄さ

 

 個人的には、彼をそこまでスーパーな投手だとは思っていない。

 

 いや……何も、彼を認めないわけではない。そこは誤解のないように。間違いなく県を代表する投手ではあるし、今後さらにスケールアップしてくれることを期待もしている。

 

 だが少なくとも、現時点では“全国レベル”の実績は、ほとんど0に等しい。そこは、“元祖トルネード左腕”島袋洋奨と違う点である。

 

 島袋は、1年時の夏の県大会で、あの選抜優勝の沖縄尚学相手に力投を見せている。さらに2年時の春の選抜では、敗れたものの19三振を記録し、夏も今宮健太擁する明豊(大分)と死闘を演じた。

 

 翻って宮城は、1年時に出場した夏の甲子園初戦で、智辯和歌山にコテンパンに叩きのめされている。

 2年時の夏は活躍したと辛うじて言えるかもしれないが、初戦・二戦目ともリリーフ登板だった。さらに二戦目は、リリーフしたものの彼自身も点を奪われ、一度マウンドを降りている。

 また、直近の春季九州大会でも、準優勝を果たしたものの突出した投球成績を残したとは言い難い。

 

 ただ――このように、宮城と最近の興南の戦歴を振り返ってみると、これは何も彼だけの責任ではないということに気付いた。

 

2.“ライバル”に恵まれなかった宮城大弥

  宮城は、県内の公式戦で、“全国レベル”の打者ないしチームと対戦した経験が、乏しいのである。彼の戦った糸満や美来工科も強豪ではあるが、それは県大会レベルでの話であって、全国大会で通用するほどの力を備えたチームではない。

 

 その意味で、島袋は恵まれていた。

 

 1年時には、前述のように選抜優勝の沖尚。2年時には、現ソフトバンクの山川穂高擁する中部商業、元千葉ロッテマリーンズの大嶺翔太の八重山商工。ほとんどライバルがいなかったかに思えた最後の夏も、現巨人の宮國椋丞の糸満。……県内にいながら、これだけ力のある打者・チームと対することができたのだ。

 

 ライバルがいるということは、それだけ甲子園出場のハードルも高くなってしまうのだが、逆にメリットもある。力のあるチーム・打者に対した時の投球術、駆け引きを学ぶことができるのだ。

 

 そこが、宮城は少し気の毒だったと思う。全国で勝つための経験値を手にすることができないまま、いきなり甲子園でそのレベルと対峙しなければならなかったのだから。

 

3.今年こそライバルの出現を……

 

 おそらく準々決勝辺りまで、興南はスコア上やや苦戦することはあっても、ある程度余力を残したまま勝ち上がってくるだろう。問題は、その先。準決勝・決勝で、全国レベルの強度を体感し、それを跳ね除けることができるか。

 

 逆に言えば……もし今大会において、春から夏にかけて急激に伸びてきたチームがあれば、案外チャンスはあると思う。

 

 あえて興南の弱点を挙げるとするならば――それは、一見盤石そうな“投手陣”である。宮城を筆頭に、どの投手も“1点もやれない場面”で、”全国レベルのチーム相手に”凌ぎ切った経験がない。大振りせず、じわじわ攻めていけば、県内のチームでも十分攻略は可能だろう。

 

 できれば……そういう攻め方をされても、なお凌ぐ宮城君が、見たい。そこまでやれれば、夏の甲子園での上位進出が見えてくる。

 

 ここまで、“ライバル”に恵まれなかった宮城大弥。最後の夏は、彼に真っ向勝負を挑める打者とチームが現れるかどうかも、注目である。

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