辰巳八景

”辰巳八景”  山本一力著  新潮社
江戸・深川の人々の人生を描いた8短編集。
本作品集で印象深かったのは「やぐら下の夕照」
 飛脚宿・遠藤屋の主・良三には十五の時、
  父・亮吉に問われて以前考え出した1つのアイディアがあった。
先細りな飛脚への依頼件数を取り戻す方策だった。
 くじ引きで選ばれた六十名の若者が五年間、
  月に2度までくじで定められた相手に手紙を無料で届けてもらえる、
   という顧客開拓のためのアイディアである。
このくじに、良三自身も応募し、当選した。
 手紙の相手は弘衛という、男のような名前を持つ娘だった。
  月に2度、見たこともない相手に手紙を書くことは、
   当時の若者にはどれほどの緊張と喜びを与えたのだろうか?

 

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