オレ流の源流・・・稲尾氏と落合博満。

  • Miya
    2007年11月14日 09:31 visibility9600


「変な日だね。今日は」

 

晴れがましい記者会見の席で、

主役がぽつりと漏らした一言にすべての思いが込められていた。

 

13日に開催された「正力松太郎賞」の選考会。

そこに選考委員である稲尾和久氏の姿はなかった。

その年、最もプロ野球の発展に貢献したと思われる人物に贈られる正力賞。

53年ぶりに中日を日本一に導いた落合監督が受賞するかどうかが注目された。

 

結果は、出席した選考委員満場の一致で見事に落合監督の受賞が決まる。

 

落合監督にとって、この誇らしい結果を喜んで欲しい人として、稲尾氏の存在があることは間違いない。

ロッテ時代に稲尾監督の下で主力選手として活躍した落合氏。

豪放で繊細な稲尾氏を師と仰ぎ、兄貴と慕い、野球談義で語り明かしたことも多かったとか。

稲尾監督が解任されたことで落合は退団を決意した。

 

「監督と選手という立場を離れて、朝まで酒を飲みながら野球の話をした。投手とはこういう生き物で、こういうことを考えているとか、打者にはわからない投手心理を教えてもらった。それはボクの中に財産として残っています」

 

落合博満、野球人として最高峰の栄誉を授かったその日に恩師の訃報を聞く。

まったく皮肉な話である。

しかし、落合博満の中で稲尾氏の野球は間違いなく脈々と生きていることだろう。

驚いたエピソードがある。

 

「もうちょっと早く監督をしていれば・・・以前に私が『投手コーチを頼むよ』と話したことがある。実現はしなかったでしょうけど。また野球界から、大きな星がひとつ消えました…」

 

オレの元で投手コーチをやってくれよ!

球界の大先輩にこんなことを言えるなんて・・・。

本当に、肝胆あい照らす仲であったのだろう。

 

オレ流の“兄貴分”稲尾和久さん死去…落合監督が悲痛な叫び


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