60年前以上前のグラブ ZETTNo9000

 今朝は、ミズノではなく、ZETTの古いグラブのご紹介です。ZETTは確か「渡辺商会」と言う名称の会社だったと記憶していますが、かなり昔からこの「ZETT]という名称のラベルをグラブに張り付けていたことが、こういった古いグラブを購入してわかりました。しかも、このラベルのシンプルなこと。ただ、このグラブの前の所有者が大事に使っていたか、もしくは長い年月全く使っていなかったのかのいずれかで、ラベルがこれほど綺麗な状態で縫い付けられているのも珍しい逸品と言えます。通常60年以上前のグラブだと、当時のラベルが取れてしまっていることが多く、ラベルが付いているグラブだと「超ラッキー」と言う気持ちになりますが、これほど状態の良いラベルっていう物は「超超ラッキー」となりますね。

 

さて、グラブの特徴です。まず、前回ミズノのR.KMizunoM5000と言うグラブの特徴を紹介した時にも説明をしましたが、この頃のグラブの「ハミダシ」(指袋の背中にある一本の筋)が現代の市販のグラブの大半が採用している「キリハミ」ではなく、袋状になった「タマハミ」であるのがすぐに目に入ってきます。この「キリハミ」と「タマハミ」の違いなんですが、良く言われているのが「キリハミ」の方が耐久性が高いそうです。しかし、このように60年以上も前のグラブが、こうして現存していることに「耐久性」を言うのであれば、キリハミのグラブは100年くらい持つってことでしょうか?まあ、グラブの耐久性って言うのは、使用しての感覚なので実在しているかどうかでは無いわけで、この辺キリハミのグラブの体感がタマハミのグラブよりも優れていると言いたいのかもしれません。

 

この頃のグラブは守備位置でその専門性を分けているのは無かったと言えます。このグラブは見るからに内野手ようで、横にやや広がった形状で、指の先端の方へ行くほど丸みを帯びています。今現在のグラブと比較すると、「癖のあるグラブ」と言えます。どこに癖があるかと言うと、グラブの捕球面を見ると一目瞭然です。

 

 このグラブの捕球面をみるとシングル横綴じなのですが、ヒンジのところで曲げて捕球をするために「指4本でボールを包むような捕球」しかできない感じの作りなのです。現代ではやっている「当て捕り」などはちょっと考えられないようなグラブの作りになっています。その変わりポケット(親指と人差し指のまたの下あたりの部分)がものすごく深くなっていて、ボールをそこで捕ると言うのが誰でもわかる構造になっています。さらに、指と指を結びつけるグラブレースはR.KMizunoM5000の時と同じように、1本横に通っているだけで、現在X掛けの指紐通しにはなっていません。また、すごく印象に強いのは、親指の指袋の部分がものすごく太いのです。現在の市販のグラブで、こんな親指部分が太いグラブなどありえないはずです。おそらくですが、この頃の選手たちは「親指の突き指」を恐れた人たちが多く、それを補っていると言うのがグラブを一目見た瞬間でわからなければ商品としての価値が無いと判断されたのかもしれません。興味深いところです。

 

次にウェッブを見て見ましょう。

ウェッブはシンプルなワンピースで、折り曲げるために真ん中とウエッブの一番上に切り込みが日本は言っています。これを見て想像するのは、この後出てくるグラブにツーピースウエッブが出てくるのですが、この切り込みを思い切って切ってしまってツーピースのウエッブにしたのではないかと。ウェッブの操作性と強い打球へのショックを和らげるためと言う目的から、ツーピースへ移行したのかもしれません。この時期のグラブにはウェッブの下側に来る「折り返しハート」のような部分はまだ見られません。かなりシンプルに作られています。

私がこのグラブが本当に欲しいと思ったのは、このアゴの閉じの部分のレースの巻き方でした。こんな巻き方のグラブは初めて見ました。このようにハトメとハトメが並んでいる横通しと立て通しが混在した通し方のグラブなど今まで見たことがありません。もし、この閉じ方がZETTグラブの特有な閉じ方だったとしたら、それを実際に見て、そしてボールを取る際にどう他の定番の閉じ方のグラブと違うのかを比較検討できると思い、何が何でも購入したくなったきっかけです。古いグラブには現在のグラブに無い「謎」のようなものがあります。そして、古いグラブがどう進化していったのか、これを紐解くには実際に古いグラブを購入し、自らがキャッチボールやノックを受けたりしてその捕球感覚を体験しないと分からないはずです。もちろん、それには今のグラブも所有してみての比較をしなければならないわけで、グラブ好きの方には理解してもらるのではないでしょうか。

 

最後にZETTのこの頃のラベルを

長い年月と風雪に耐えて来たラベルがいまだにこのような綺麗な状態を保っていることの不思議さ。そして、ラベルを縫い付けている糸縫製をご覧ください。しっかりとつけられていて、しかも曲がってない。これだけの技術が過去に会ったと言う事です。まだまだ古いグラブをご紹介していきたいと思います。

 

 

 

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