広島4-6巨人 見事な継投は尾花投手コーチ主導か?

連日の延長戦を制しました.5失策と反省点も多い試合でしたが,昨日の継投には感心したのでそれについて述べます.


 同点に追いついた直後の7回裏.勝ちパターンの山口を投入しますが,守備側のミスもあって二死2・3塁のピンチとなって,右の強打者のエルドレッド選手(その次の打者も右の強打者の新井選手)を迎えた所で,巨人は山口(左投手)に代えて田原誠(右サイドスロー投手)を投入しました.左対右とはいえ,実績からいうと遙かに上の山口に代えて,田原誠を使った訳です.しかも,田原は,過去の2試合の登板の結果が必ずしも良くなかった(2回2/3を投げて2失点)にもかかわらず,「対右打者に限れば山口より田原誠が上」と評価しての投入だったと思います.田原は,エルドレッド選手を,ストレートで打ち取って結果を出しました.しかも,同点の8回表,田原に打順が回ると,スパッと代打を出して代えています.同点で8回ですでに山口を出しているので,延長戦も考慮して投手は節約したいところですが,前回の登板(3/29のDeNA戦)で田原は,イニングまたぎで失点していることを考慮してのことでしょう.田原誠の長所・短所を熟知した継投だったと思います.尾花さんは,1軍投手コーチ就任時から,田原誠に期待していると言っていたことも考えると,この継投は尾花さん主導の継投だったと思います.昨日の試合に勝てたことに加え,田原誠に自信を持たせ,ベンチも「右打者殺し:田原」という手駒を増やせた点で価値のある采配でした.

2点勝ち越した10回裏,すでに,マシソン・山口・澤村の勝ちパターン投手3名を使い切って,ベンチに残る投手は,土田(右)・小山(右)・戸根(左)・今村(左)の4名.戸根・今村は過去の登板でいずれも失点しており,特に戸根はヤクルト戦でボロボロだったので,この2人は除外.土田か小山ということで,過去の実績で上回る小山かと思いましたが,土田を選択.土田が先頭の右打者のルナ選手にヒットを打たれ,左打者の野間選手を迎えたところで躊躇無く戸根を投入.流石にビックリしましたが,戸根は,野間選手を打ち取り,小窪選手は併殺打にしとめて見事に抑えました.初登板時の出来が悪く,堤GMにも酷評されていた戸根を使ったところに,「投手を見る目」の自信が感じられ,尾花コーチの主導を感じます.これで,昨日の試合に勝った上に,戸根の自信を戻し,山口以外の左リリーフとしての手駒も増やせました.

さらに,開幕から7ゲーム経過して,勝ちパターンの3名の登板が増えていますが(澤村5試合,マシソン・山口が4試合),この3人は,だれも「イニングまたぎ」をしていません.この点でも,目前の試合を重視しつつも先を見据えていると思います.

高橋由監督は新監督ですが,開幕7試合を見る限り,むしろ,ベテラン監督のような我慢強い采配が目立ちます.それは,本人の資質に加え,尾花コーチ等のベテランコーチのいうことにもよく耳を傾けているからでしょう.引き続きその姿勢を保って欲しいと思います.

(ついでに言えば,原前監督も監督時代の前半は,周囲のコーチのいうことに良く耳を傾けていました.)

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