理想のドラフトを考える.

2011年2012年のドラフトを評価していて,「理想のドラフトとは何か」を考えるようになりました.最悪のドラフトというのは明らかで,指名選手すべてが戦力にならないドラフトです.では,最善のドラフトというのは,「指名選手すべてが主力選手になるドラフト」かというと,それは少し違うような気がします.もちろん,単年でみるなら,そのドラフト結果は「最善」でしょうが,もし,それが毎年続くとすれば,そのチームは毎年,主力がドラフト獲得選手の人数分(概ね5名前後)入れ替わることを意味します.そういうチームは果たして良いチーム(安定して勝ち続けるチーム)でしょうか?

今回,ドラフトを評価する基準で,2013年のセリーグ各チームの主力・準主力・控えの各選手の人数を調べてみました.

チーム 投手(主/準/控) 捕手・野手  合計    総計

巨人    8/2/6     5/8/8  13/10/14  37
阪神    8/5/5     4/7/11   12/12/16   40
広島    7/7/5     4/10/8   11/17/13   41
中日         7/9/7     5/8/9    12/17/16   45
DeNA        7/9/7     3/10/8   10/19/15   44
ヤクルト    8/7/5     1/16/2     9/23/7    39

 思ったより各チームの差が少ないです.とりあえず主力選手の人数のみに絞ると各チームとも主力投手は7名前後,主力捕手・野手は4名前後でで(ヤクルトのみ1名),主力選手は合計11名前後です.したがって,「指名選手すべてが主力選手になるドラフト」が続くチームは,ほぼ2年毎に主力選手がすべていれかわるチームと言うことになります.そういうチームがあったとしても「安定して勝ち続けるチーム」とはとても思えません.

主力選手を10名とし,選手の寿命をおおよそ10年と考えると,概ね1年に一人ずつ主力が入れ替わっていけば,新陳代謝を進めつつ勝ち続けることが出来るチーム(良いチーム)となりそうです.

同様に考えると,準主力の人数は10-20人ですから,準主力は1-2名ずつ入れ替われば良いことになります.控えは7-16名ですから同様に控えも0-2名ずつ入れ替わればよいことになります.

非常に単純化した考えですが,毎年,主力が1名,準主力が1-2名,控えが0-2名出るのが「理想的なドラフト」ということになります.これって,割と,通常の感覚での「うまくいったドラフト」というのに近いですよね.

主力を4点,準主力を2点,控えを1点とすれば,上記のドラフトが合計点は6-10点ということになります.1年毎の成績が「6-10点」でそれが10年続くドラフトが「成功したドラフト」ということになります.1年毎の平均点が6-10点というのが「成功したドラフト」の目安というわけです.

 そういう目で,2011年のドラフトの評価結果を見ます.

1位:25点:オリックス(昨年時点で2位)
2位:24点:ロッテ(昨年時点で1位)
3位:14点:中日(昨年時点で5位),広島(昨年時点で3位)
5位:13点:西武(昨年時点で3位)
6位:9点:巨人(昨年時点で5位)
7位:8点:ソフトバンク(昨年時点で9位),楽天(昨年時点で8位)
9位:6点:日ハム(昨年時点で5位),ヤクルト(昨年時点で10位)
11位:4点:阪神(昨年時点で10位)
12位:2点:DeNA(昨年時点で10位)

2012-2013年の2年分の評価ですから「12-20点」が良い点数の目安となることを考えると,6位以下は現時点では「点数が低い.」.3-5位の中日・広島・西武は「良いドラフト」,1-2位のオリックス・ロッテは「点数が高すぎる」ということになります.

まあ,毎年のドラフトの結果にデコボコがあるのは当たり前ですし,上記の考えが正しいかどうかは,長期のドラフトの結果を検証しないとわかりません.機会と暇があればそういう検証作業もやってみたいとは思っています.

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