得点と相関が高いのは打率ではなくOPS(出塁率+長打率)

巨人のチーム打率が低い(リーグ3位)のに得点が高いこと(リーグ1位)や、巨人の野手で打撃10傑(打率の高い選手10人)に入っていないことを不思議がる論調が一部のスポーツマスコミに認められるので一言。

 

・打率と得点との相関が悪いことは、もはや常識(たとえば、OPSをネットで調べればすぐ出てくる)です。打率では、四死球を考慮していないことに加え、単打も長打(2塁打・3塁打・本塁打)も同じヒット1本でカウントしてしまうからです。

 

・そこでOPSです。OPSは、出塁率と長打率を加えたもので、大まかにいって、四死球を1点、単打を2点、2塁打を3点、3塁打を4点、本塁打を5点と考えてそれを足し合わせたものに比例する数値です。得点から考えると、四死球<単打<2塁打<3塁打<本塁打の順に価値が高くなることは直感的にわかります。実際、OPSのウイキペディアによれば、「日本でも1980年から2010年のデータで得点と打率との相関係数が0.776なのに対し、OPSとの相関係数は0.941に達している。」となっています。

 

・実際、2020年のセリーグの9月13日までのチーム打撃成績をもとに、1試合あたりの得点と打率・OPSの相関をみると、打率との相関が0.645に過ぎないのに対し、OPSとの相関は0.955もあります。野球は得点を競うものである以上、明らかに得点との相関が悪い打率で、チームや個人の打撃を評価するのではなく、OPSで評価すべきです。

 

・2020年のセリーグの9月13日までのチーム打撃成績

 

・チーム打率と1試合あたりの得点との相関図(相関係数0.645)

 

・チームOPSと1試合あたりの得点との相関図(相関係数0.955)

 

 

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