甲子園の影法師〜怪談??

  • 仲本
    2010年08月16日 23:07 visibility240




甲子園のスタンドに座りながら、ぼんやり考えた。
初めてこの球場にやって来たのはもう30年ほど前の夏。ちょっと入ってみるか?と父親に連れられた外野席だった。どこの試合だったかはまったく覚えていない。父親がいうには「歓声に驚いてキョトンとしていた」らしい。当時は夏の大会、第60何回、といっていた。

以来何度か途切れながらも、年中行事のようにこのスタンドにやって来ては座っている。夏の大会は今年で第92回。第100回の夏の大会もこのままいけば見ることが出来そうだ。大阪に住んでいればの話だが…。

ひょっとして…、

俺は死んでも夏の今時分はここに来て、こうしてスタンドに座っているのではあるまいか。そうやってグラウンドに目を落とし、ファインプレーには「よう、上手いぞ、ショート!」とか手を叩いてるような気がしてならない。

となれば、そんな手合いは日本中に山ほどいるはずだ。いや、既にスタンドや甲子園の上空にはそんな連中がウヨウヨいるのかもしれぬ。彼らは別に悪さなどしない。ただ生前と同じく、好プレーには拍手を送り、まずいプレーにはしっかりせいと言い、イレギュラーやら風のいたずらには「出たよ。魔物!(笑)」とやるばかりだ。

スタンドのそこここにくっきりと影法師が落ちている。










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