強豪のオーラは?~社会人野球日本選手権

  • 仲本
    2017年11月05日 18:21 visibility868

この日の第二試合は日本通運-沖縄電力の対戦となった。

 

日本通運は去年の秋・今年の夏と連続準優勝。全国大会の常連から優勝候補へ、チームレベルがもう一段上がっているかどうかが注目される。対する沖縄電力は日本選手権は6大会ぶりの出場と全国大会では売り出し中。日本通運の本拠はさいたま市、沖縄電力は浦添市というから、高校野球に例えればちょうど浦和学院-浦添商みたいなものだろうか(※個人の感想です)。

 

応援団の入れ替えがうまくいかなかったのか、試合開始直前になっても日通応援席はなかなか埋まってこない。むしろ遠来の沖縄電力応援席のほうが入りもよく、元気があるように思えた。

 

1回の表、日通の攻撃は1番が一、二塁間寄りのゴロ、これを一塁手がはじいて一塁に生きる。手堅くバントで2塁に送ると3番がレフト線に落とすヒットで先制。4番ヒットのあと5番打者のセンターへの大飛球はフェンスを直撃、2点タイムリー三塁打となった。なおも一死3塁からショートゴロ、三本間に挟まれた走者が粘りに粘って送球エラーを誘い、この回4点目。このあともう一度三本間で挟殺プレーがあり、ここも走者は粘って後続の走者の進塁を大いに助けた。相手のミスがあったのも確かだが、初回からそれを逃さず得点を重ねて優位に立つのは強豪校、じゃなかったチームらしい試合運びといえよう。

 

(先制攻撃に意気上がる日通応援団)

 

金城・渡慶次・平良…、といかにも地元出身選手をずらりと並べたオーダーの沖縄電力は応援を背に2回に反撃。一死2,3塁から8番打者が逆らわず右方向へ、一、二塁間をゴロで破って1点を返す。日通の先発はエース級の左腕・高山。ここで切ればまあ1失点はOK、となったはずだが、二死満塁から2番・内間(滝)にうまく合わされ、ショートオーバーの2点タイムリーを浴びて早々とマウンドを下りた。

 

(このヒットで4-3と沖縄電力は一点差に詰め寄る)

 

なんとなく嫌な流れになりそうだった日通は直後の3回、先ほどタイムリー三塁打を打った5番・関本が今度はレフトへ大きな当たり。これがソロホームランとなって流れを引き戻す。二死走者なしから下位打線の長短3連打でさらに2点を追加。再び点差を4点に広げた。

 

ここから両チームの二番手投手が踏ん張って試合は落ち着く。試合中にスコアメモを見返すと、日通・池田投手は代わってから走者を出していなかった。結局6イニング打者18人を完封。最初からこいつで行けばよかったんじゃないか、と言いたいところだが、先発とリリーフでは気の持ち方も違うのだろう。

 

結局7-3のまま試合は9回へ。日通は速球派のルーキー・生田目投手をマウンドへ送り出し万全を期す。ヒットで走者を許したもののツーアウトまできた。

 

しかし沖縄電力はここからミートに徹して連打で満塁とする。ここで8番ながらタイムリーを打っている山川が三遊間を低いゴロで抜いて二者を迎え入れる。なおも1、2塁。まさかとは思うが、一発出れば逆転サヨナラというところまできた。フルカウントからの最後の打球もいい当たり、球場は一瞬どよめいたがしかしセンター守備範囲のライナー。

 

日_通 403 000 000/7

沖縄電 030 000 002/5

 

勝ちはしたものの、日通は優勝を狙うチームにしてはつけ入るスキをだいぶ見せてしまったような気がする。強豪のオーラを身にまとうにはまだまだ課題がありそう。そんな試合だった。

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