お百度参り~北大阪大会

  • 仲本
    2018年07月16日 21:49 visibility598

夏の高校野球選手権大会皆勤校の一つである大阪・市岡高校。今年の夏は13日に初戦を迎えた。対戦相手は公立の雄・桜宮。正直厳しいかなあと思っていたのだが、逆転勝利を飾る。2回戦は三連休の最終日、舞洲スタジアムの第三試合という日程になった。いろいろと見たいチームが重なる中、地元大阪の古豪がせっかくの機会を作ってくれたのだから、遠いだの暑いだのはこの際置いておこう。

 

この日の対戦相手は常翔啓光学園。あまり野球に力を入れているとは聞かないし、いけるのではなかろうか。

 

組み合わせの関係でこの日が夏の初戦である啓光学園はエース左腕・井上投手が先発。力みのないフォームから投げ込む球はなかなかキレがありそう。市岡の先発は3日前に完投したエース・勝田投手を回避して背番号10の生田投手で臨んだ。啓光の井上投手は好投に加えて、打順8番ながらも左打席からうまく流し打って2本のヒットを打つなど、なんだかこの選手一人にやられそうな雰囲気すらあった。

 

両投手とも無難に立ち上がって序盤3回は無得点で抑える。市岡は初回に1番打者がヒットを打ったが、打順が二回りしてまだヒットはこの1本だけ。5回裏、先頭打者がエラーで出塁すると、この試合ようやく2本目のヒットで1、3塁。ここで初球スクイズは投手真正面に転がって三塁走者タッチアウト、ここも無得点に終わった。

 

押し気味の啓光は7回、二死から連続ヒットで1、2塁。続く4番の当たりはレフト前へ。二塁走者が三塁を回って先制か、と思われたが、レフトからの返球で三塁を狙った一塁走者を先にアウトにして得点ならず。

(よく見ると三塁前にも走者が来ている)

 

ピンチの後にはチャンスありの言葉通り、市岡7回裏は先頭打者のヒットを皮切りに1死2,3塁のチャンスを築いた。前の打席でスクイズを結果的には失敗している2番打者が今度はフルカウントまで粘った末にセンター前へクリーンヒット。

(0-0の均衡がついに破れた)

 

市岡は7回の攻撃で先発・生田投手に代打を送っており、8回からエースのサイドスロー・勝田投手を登板させて逃げ切りを図る。

8回は危なげなく退けたものの、9回は先頭打者にボール3つ。結局四球で歩かせる。次打者見逃し三振で1死。啓光はここで代打を送り込んだが変な当たりのピッチャーゴロ。これが手につかず、記録はエラー。次打者もスリーボールナッシングと苦しいカウントになり、四球で満塁。迎えた4番打者は空振りの三振に切って取り、二死までこぎつけるが。

 

 

 

9回二死満塁、打球は三遊間を抜けてレフト前へ転がった。啓光、起死回生の同点タイムリーとなった。

9回裏の市岡の攻撃は三者凡退。延長戦に入る。なお、啓光の投手は2点を失ったところで先発・井上投手から田窪投手、さらに八木投手へと継投に入っている。

 

(まさか言ったそばからタイブレークにならないだろうな、と思いつつ)

 

11回の表、啓光は二死から走者を2塁に置いてライト前へのライナー。ライト突っ込んでダイビングキャッチを試みるもわずかに及ばず、ショートバウンドでグラブに収まった。二死なのでスタートを切っていた走者はもちろん勝ち越しのホームイン。

11回裏、市岡は1死からヒットで走者を出すものの、絵に描いたような4-6-3の併殺で試合終了。

 

啓光 000 000 002 01/3

市岡 000 000 200 00/2

 

市岡はこの試合6つの犠打を決めた。無死走者1塁の局面は実は5度もあり、これはすべて犠打で二塁へ送っている。いかにも伝統校らしい手堅い戦いぶりだったが、この日は打線が振るわなかった。野球には基本「タイムアップ」はなく、最後の1つのアウトまで相手から取り切らなければならない。100回目の夏にしてなお「あと一人」に泣く。野球の面白さだろう。

 

(ヘルメットも三本線のみ。)

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