夏が始まり終わる場所~大阪大会・南港中央球場

  • 仲本
    2019年07月07日 22:03 visibility758

普段はスルーすることが多い地元・大阪大会、それもまだ1回戦だが、この日は南港中央球場に足を運んでみた。三試合の組み合わせがなんともお得に思えたからだ。球場に到着すると第一試合は5回まで進んでおり、2-2の同点だった。

 

 

父兄がオレンジのシャツでそろえているのは春日丘高校。選手のストッキングにもオレンジが配色されている。すでに私学全盛だった昭和57年に、大阪の夏に旋風を巻き起こして甲子園に出場した。対戦相手は交野高校。これで「かたの」と読む。こちらはエンジ色をアクセントに使っているが、胸マークは早稲田調ではなく漢字で「交野」とする。

 

試合の均衡は終盤の8回に破れた。先攻の春日丘は先頭打者がクリーンヒットで出塁すると続く打者とヒットエンドランを仕掛ける。しかし詰まった当たりの一塁前のゴロ。一塁手が捕ってベースカバーの二塁手に送球するがタイミングが合わず後逸。ボールが力なくファウルグラウンドに転々とする間に、スタートを切っていた一塁走者は三塁も蹴って一気にホームへ。バックアップした右翼手からの懸命のバックホームも間に合わない。さらに長打で畳みかけた春日丘、今度はスクイズの構えを見せる。バッテリーは外しにいったがワイルドピッチとなってしまった。

 

投手としては打たれた気はしないだろうが、こういうプレーで点が入ってしまうのが野球のこわいところだ。交野はその裏三連打で1点を返すが反撃もここまで。

春日丘 5-3 交野

 

第二試合は一部マニアにおなじみの市岡高校が登場。夏の全国大会には昭和15年を最後に遠ざかっているとはいえ、10回の出場経験がある古豪だ。対戦校は三島高校、こちらも府立高校で、大阪北部の高槻市にある。

 

試合は三島が足を絡めて2点を先制する。点を取られたすぐ後の攻撃で市岡は満塁のチャンス。しかし打球はショートゴロ、併殺コースかと思われたが二塁送球がそれ、さらにバックアップしたライトからの内野返球も大きくそれる二つのエラーで満塁の走者をすべて還してしまった。

 

その後両チーム点を取り合う展開になり、三島もよく打ったが点差はなかなか縮まらず。三島にしてみればあそこで併殺がとれていれば展開が大きく変わっていたかもしれなかった。おそらく試合結果は逆だったろう。

市岡 10-6 三島

 

第三試合は浪商(現在は「大体大浪商」となっている)と府立天王寺高校の対戦。

 

浪商は大阪を全国制覇のレベルに引き上げた強豪で、夏の優勝は昭和21年と昭和36年の2回。天王寺は新制高校になって初めての大会である昭和23年に全国大会に出場経験がある。

 

浪商は1回、無死満塁から4番打者が三遊間にはじき返すと、その後も攻撃の手を緩めず4点を先制した。天王寺の左腕エースは警戒が過ぎたか5つの四球を出してしまい、こうなると強豪私学は見逃してくれない。0回3分の2でマウンドを譲った。

 

2回を終わって0-6、コールド負けもやむなしかと思われた天王寺も3回にスクイズで1点を返し、4回には二死2塁から打球は右中間へ。

 

ライトのダイブも及ばずタイムリー三塁打となり応援団を大いに沸かせた。

 

しかし浪商は4回、ややてこずっていた天王寺二番手のサイドスロー投手から2点を奪って交代させると、また四球にエラーも絡んでこの回6点を追加した。

大体大浪商 12-2 天王寺(5回コールドゲーム)

 

この日は結局2試合半を球場で観戦したことになる。これだけ長く球場にいたのも久しぶりのことだ。地方大会バカとすればこの組み合わせで往復交通費が普段より1から2ケタ安い(苦笑)のだからお得である。

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