マルチヒットでも厳しかった掛布さんの大田評

  • 舎人
    2015年03月09日 04:52 visibility1343
なんだか今年は一軍の試合をあまり見る事無くここまで来てしまった感じです。その理由として、どうしてもベテラン偏重の編成によって、どうでも良くなってしまったという白けた思いがあるからです。アラフォーカルテットなんてのが今年の売りなんて・・私のような若手ファンには目眩がしそうな出来事です。巨人は3連覇を達成している最中ですし、この連覇を続けなくてはいけないという責務があることは重々分かります。そのために必要な補強をしたのだということも理解できなくはないのです。しかし、選手のことを思うと、どうしても割り切れない思いが残ってしまう。目の前の優勝を狙うために、巨人はとんでもない負の遺産をかき集めてしまったのではないか?不測の事態に陥ったときの戦力ダウンを怯えるあまり、ニッチというニッチを埋めてしまったことが、若手の目指す場所を奪い、却って問題になりはしないか?そんなことばかりが脳裏を去来します。アスファルトの道もいつかは痛んできます。そこをつぎはぎつぎはぎしたとしても、とりあえず応急処置をしただけで、道はどんだんガタガタしてきます。いつかは古いアスファルトを剥いで、全面的に敷き直さない限り、道はきれいになりません。今の巨人はそんな老朽化しつつある道路なのだと思うのです。

そんな白けた思いと心配とが交錯する中で、日々チェックを欠かさないのが、中井・大田・橋本の三人の動向です。多くは望んでいません。この三人だけ何とか一軍に定着できれば、未来に託す思いが繋がって行きます。誰かが選手のことを油田に喩えていましたが、私がファームウォッチャーとして二軍の選手たちを見てきた中で、この三人の「資質(=能力の埋蔵量)」は抜きん出ているとしか思えないのです。坂本となんら変わらないほど。違うとしたら掘削の難しさです。でも、時間と手間隙をかければ、間違いなく有望な油田になる。それを掘削はし易いものの残りの埋蔵量の乏しいベテラン選手と比べていいものだろうか。そんな思いで日々、三人の活躍を祈っているのです。私のプロフィールの写真はその三人の揃ったものですが、これもそろそろ交換したいところ。本当は辻と和田と岡本の三人の揃ったものに変えたいのです。でも、そのためには今の写真の三人が揃って一軍定着してもらわないといけません。

さて、今日のオープン戦では三人の中で唯一大田がスタメンのチャンスをもらい、マルチヒットを放ち、結果を出しました。2月に比べると、何だか調子を落としていると感じていたので、今日のマルチヒットはかなり価値のあるものだったと思います。私は最近、リアルタイムで試合を見ることが無いのですが、必ずと言っていいほど録画はしてあるので、早送りで再生して見返してみました。すると、中継の解説は掛布さんだったのです。昨年の6月の初頭、大田が一番打撃を崩していた時、掛布さんは大田のことを色々と解説をしていました。私はその時のことを日記にしたのでした。

掛布さんの大田評(6月1日 スカイ・A sports+のファーム交流戦中継より)

その時から大田は少なからず成長し、結果を残してきました。自分の打撃も気付きつつある感があります。そこで掛布さんが大田のことをどんな風に思っているのだろうと注目して中継の録画を見ていたのでした。


2015年3月8日(日) オープン戦 巨人対阪神(スカイ・A sports+の中継を視聴)

二回表、二死二三塁、投手岩本 
大田:カウント1-2からショートゴロ(139キロB、142キロF、138キロS、140キロF、アウトロー127キロ) 

五回表、一死走者なし、投手岩本 
大田:カウント3-1からレフト前ヒット(123キロSw、121キロB、144キロB、91キロB、外角142キロ) 

七回表、二死三塁、投手安藤 
大田:カウント1-2からレフト前先制タイムリーポテンヒット!(139キロS、137キロF、130キロB、低め129キロフォーク)、亀井生還、1対0 


アナ:ツーアウトランナー三塁。大田はもがいてますよ。こういう所で一本欲しいんですよね。 
掛布:そうですね。 
アナ:岩本との対決では討ち取られました。 
掛布:ちょっとやっぱり、あの、構えた時のグリップの位置が固いですよね。肩とかグリップ周りがですね。もうちょっと(力が)抜けた方が・・ちょっと固いでしょ・・ 
アナ:ええ、肩になんか・・鳥谷みたいな雰囲気はないですね。 
掛布:なんかこう、グイッて力を、力感を感じ過ぎますよね。だから意外にバットが前に来ていないんですよね。 
アナ:なんかこういう所で一打欲しい欲しいって雰囲気が出過ぎですね。 
掛布:やっぱ上体でバッティングをし過ぎるんじゃないですかね。もうちょっと下半身リードのバッティングというものを考えるともっと楽に打てると思うんですね。 
アナ:掛布さんの表現で言うと外国人タイプのような・・ 
掛布:あっ、そうですね。 

アウトローのボール気味の球をなんとか掬ってレフト前にポテンヒットのタイムリーを放つ・・ 

アナ:(レフト)江越の(前に落ちる)チャンスヒット、大田、打球は綺麗ではありませんが、これはこれで結果が出ました。均衡が破れました、七回表ジャイアンツ! 
(中略) 
掛布:ただ、大田君今のボールに対してやっぱり手を出して行くというのは、まだまだボールの見極めというところに、まぁ不安なものを感じるとベンチは思いますよ。まぁ、内容的にはヒットはヒットなんですけども・・シーズン中ならいいヒットです。(でも)オープン戦では打ってはいけないボールですよね。 
アナ:追い込まれていても今のは見極めなくてはならない・・ 
掛布:ええ。ただ、今は結果が欲しいという時期でしょうからね。でも、これで二本目のヒットですよね。 
アナ:はい。レフトに二本。一打席目は岩本に抑えられました。


一二打席では特に何も話していませんでしたが、第三打席ではずいぶん感想を話していました。中継の中で話題にしていたのは、ほとんど阪神の選手のことです。巨人の選手でこんなに話題にしていたのは大田以外に誰もいません。それだけ掛布さんは大田のことが気になっているのかもしれませんが、今日の試合のコメントも、やや厳しいものでした。

・グリップ周りが固い
・上体でなくもっと下半身主導で打つべき
・もっとボールの見極めが必要・・

掛布さんの打撃理論は定評がありますし、耳を貸す価値のあるものだと思います。大田にはいつの日か掛布さんに褒められる日が来ることを祈らずにはいられません。

ともあれ、中井・大田・橋本の中で一番監督から目をかけられ、レギュラーに近いのは大田です。何とか突破口になってもらい、次に続く選手たちの励みになって欲しいと思います。

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