今年のルーキーたちについて2010 (2) 鬼屋敷正人・河野元貴

  • 舎人
    2010年11月05日 05:18 visibility1655


この企画も本当はドラフト前に完了しなくてはいけなかったのですが、


イースタンがオフシーズンになってからモチベーションが上がらず、


ついつい後回しになってしまいました。


(1)をやって(2)をやらないのも格好がつかないので続きを始めます。


今日はドラフト2位の鬼屋敷と育成ドラフト2位の河野について、


高卒ルーキー捕手2人についてです。


 


報知新聞のコラムに岡崎二軍監督が、ファームや若手選手の現状を語る


「Gっくり語る」というタイトルの連載をやっていたのですが、


6月15日の第3回は「ポスト阿部はどっちだ」というテーマでした。


その中で岡崎監督は、鬼屋敷が2位で、河野は育成2位、入団してきた立場は違うが、


自分の中で彼らの評価は「横一線」。同じ土俵の上にいる。と話しています。


特に2人の特長として、捕手の生命線ともいえる肩の強さに関しては、


両者ともファームの中堅クラスに引けを取らないと話しています。


 


「ドラフトで支配下か育成に分かれるわけで、


そこは僕らのタッチするところじゃない。


同じ土俵にいると思っています。


鬼屋敷と河野は甲乙つけがたいくらいの肩の強さがある。


肩がいいというのは大きなアドバンテージです。


その条件を2人とも持っているというのは、すごく楽しみ。


河野なんかは、よく育成まで残っていたなと。


ドラフトの上位でもおかしくないという評価です。


あの2人が(両方)取れるとは正直、思っていなかった」




昨年のドラフトが開催される前、巨人が指名をする噂があったのは河野の方でした。


それがふたを空けてみれば意外や意外!巨人は鬼屋敷を指名したのです。


鬼屋敷を最も熱心に注目していたのは地元が近い中日でした。


この時のドラフトを今になって振り返ってみると、


巨人は高校生の捕手を本ドラフトで1名指名する方針だったのでしょうが、


それは当初3位以下で河野の指名を予定していたのだと思います。


鬼屋敷は中日の2位で指名が濃厚でした。


それがどうした訳か中日は鬼屋敷の2位指名をスルーしたため、


それではと巨人が2位で鬼屋敷を指名してしまったのだと思うのです。


ドラフト会議の流れで巨人は、高校生捕手1名の枠を、


河野から鬼屋敷に代えてしまったということです。


ところが、河野は最後まで指名がなく、


本人に育成枠でも入団するかどうか確認したところ了承したため、


巨人が育成ドラフトの2位で指名したのです。


 


つまりは鬼屋敷と河野は支配下と育成とで大きく立場が分かれていますが、


鬼屋敷の方が評価が高かったことは間違いないにしても、


実際はそんなに評価に差があった訳ではないのだと思います。


当初の予測どおり中日が鬼屋敷を2位で指名していれば、


河野は巨人の本ドラフトの3位か4位で指名されていたことと思います。


岡崎監督が彼らの評価を“横一線”としたのは、


元々の評価自体にほとんど差がなかったのですから、当然と言えば当然なのです。




しかし、私が彼ら2人を見てきた限り、どうも横一線という風には見えません。


打つ方も守る方も育成選手の河野の方が上に感じました。


 


鬼屋敷は肩幅広いがっしりとした体型が、若い頃の谷繁に似ていると言われ、


圧倒的な身体能力を期待していました。


二塁への送球が1.74秒と言われていたので、盗塁など楽々刺せるかと思っていました。


ところが、地肩の強さを感じることはあるものの、


騒ぐほどのものではありません。


私が見に行った時の盗塁阻止率も3割程度だったと思います。


捕球してから無駄な動きが多く、コントロールも微妙でした。


 


一方の河野も二塁への送球が1.8秒を切ると言われていましたが、


スローイングに関しては鬼屋敷よりも上で、盗塁阻止率も4割程度はあったと思います。


もっとも、これは河野の方が能力が優れているからと言うことではなく、


河野の方が名門高校で指導を受けていることによって、


基礎がしっかりとしている印象です。


それに対し、鬼屋敷は磨かれていない原石そのままの状態で


プレーしている感じを受けました。


 


打つ方は2人とも悪くありません。


鬼屋敷は春先、引っ張った打球が飛ばせず、ライト方向の振り遅れた打球が目立ちましたが、


シーズンが進むにつれてしっかりと振り抜いた打球を飛ばせるようになっていました。


変化球を打つことも上手く、外角のスライダーを器用にライト前に運んだりしています。


ただ、ヒットゾーンはほとんど外角一辺倒で、


シリウスなどでアマを相手にしている時は結果が出るものの、


イースタンとはいえプロの投手の厳しい配球の前ではやや苦戦していました。


 


打つことに関しては守り以上に河野の方が上に感じます。


河野は捕手がダメでも打者としてやっていけると思わせるほど打撃には光るものがあります。


外角の落ちる球を流してレフト前に運ぶ技術はなかなかのものですし、


内角に厳しく差し込まれても、なんとか喰らい付いて行っています。




河野は左打ちですし、現時点ではポスト阿部に近いのは、


鬼屋敷よりも河野に軍配が上がると思います。


しかし、鬼屋敷は先に話したとおり、名門高校での指導を受けていません。


つまり、河野よりもずっと素材的な選手だと思うのです。


その差材が間違ったものでなかったら、もしかしたら両者は逆転するかもしれません。


お互い刺激し合って2人のうちどちらかがポスト阿部になって欲しい。


それを期待していい2人だと思います。


 


動画は2人の今年の活躍をまとめてみました。


すでにYouTubeで紹介しているシーンが中心ですが、


初めて紹介するシーンも合わせてアップしています。


 


鬼屋敷正人 2010年の活躍


http://www.youtube.com/watch?v=puJiR3fJ9qQ


河野元貴 2010年の活躍


http://www.youtube.com/watch?v=yytW1qMWObc



































































































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