最期までアイドル

  • spa
    2016年06月04日 22:58 visibility505

不覚にも涙してしまった・・・


ある夜、騒がしい子供達は眠り、嫁もどこかに消えた。おそらく階下で子供達と一緒に寝ているのだろう。


僕は2階で一人、ソファーでゆっくりとyoutubeで動画を観ていた。


あ~、落ち着くわ、と(笑)


ずっと観たいなと思っていたボクシングの昔の世界タイトルマッチ、渡辺二郎対尹石煥の試合を見つけた。渡辺二郎の試合は僕はリアルタイムでは観れてないけど、今、こうして過去の試合を簡単に観れる時代になったのは、僕みたいなボクシングファンには有難い事です。


渡辺二郎と同じ時代に、ジャッカル丸山という選手がいました。
中学を卒業し、青森から上京。建設現場などで働きながら23歳でストレス解消の為にボクシングを始め、やがてプロボクサーとしてデビュ―する。24歳という遅いデビュ―に加え、不器用なボクシングスタイルで周囲からは全く期待されてなかったにも関わらず、持ち前の根性と強靭な身体で数々のアマチュアエリートを蹴散らし、ついには日本タイトルを奪取し、敗れたものの世界タイトルにも挑んだ、知る人ぞ知る名ボクサーです。


youtubeで「ジャッカル丸山」と検索すると、まぁ試合動画がたくさんUPされている。ありがたや、ありがたや。


しばしのジャッカル劇場を鑑賞し、満足してそろそろ寝ようかとiPadを閉じようとしたら、1つの動画タイトルが目に留まった。

それは「最期までアイドル」というタイトルのドキュメント番組だった。
主人公は丸山夏鈴さんという女性アイドルらしい。ジャッカル丸山とは全く関係ない人ですが、丸山というキ―ワードでたまたま検索に引っ掛かり、何となく気になってその動画を開いてみた。


丸山夏鈴さんは自身が小学2年の時に脳腫瘍が見つかり、 21歳に至るまで実に7度も腫瘍摘出手術を受けているそう。
そして映像当時の丸山夏鈴さんは、脳の腫瘍が肺に転移してしまい、もう手術で摘出出来ない状況でした。


末期ガンです・・・


そんな丸山さんですが、闘病しながらも高校時代は生徒会長を務め、芸能事務所に所属し、アイドル活動も開始。大好きな歌を歌う事を、大好きな芸能活動をする事を自分の励みに変え、懸命に毎日を生きている様子をカメラは追っていました。あまりに過酷な運命ですが丸山さんは決して悲観的にならず


「日本一、酸素チューブの似合うアイドルです」


画面の中でそう明るく笑っています。


ええ、もうこの時点で泣いてますよ、僕は。


残された時間が短い事を知りつつ、寿命を削って懸命にリハーサルをし、遂には福島と東京でライブを実現させる。ステージに出る直前までしていた酸素チューブを外し、イスに座りながらですが、集まったファンに向けて丸山さんは懸命に歌っていました。
そのライブが終わると同時に病状が悪化し、入院生活へ。そこでも丸山さんは病室から毎日動画をUPし、時には歌い、時には元気に踊る姿を発信していた。


やがて病状はさらに悪化し、最後にUPされた動画では意識も薄く、目も虚ろで


「薬のせいで眠いです。もう寝ます、バイバイ」


そして、この動画が発信された翌日、たった21歳で丸山さんはこの世を去ってしまいました。


一人の人間が、短い人生を必死に生きたドキュメントを見て、僕は「どうしてこの人なんだろう?」と思わずにいられませんでした。


この人の分も・・・と僕が思うのはきれいごとですが、自分が健康に生きていられる有難みは感じないといけないと、しみじみ思いました。


丸山夏鈴さん、全然知らない人でしたが、とても素敵な人でした。いつまでも忘れない為に、こうして自分のブログにも残しておこうと思い、書かせて頂きました。

 

 

丸山夏鈴さんの御冥福を心からお祈り致します。

















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