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あなたは・・・・黒川さん？

  • 蹴人
    2011年08月10日 12:05 visibility79

世の中には不思議なことや不可解な出来事がたびたび起こる。

 

 


偶然なのか？・・・・はたまた・・・・・。




そんなちょっとおかしな事件に俺も遭遇するのであった。

 

 

 

 

 


 

不景気といいながらも通勤中でさえあちこちで基礎工事が行われ

次々と家が建つ。

 

 

 

 

「前は何があったっけ？」と思うほど建つ。

 

 

 

事件は（俺にとってだけの）そんな新築に越してきた一家が巻き起こすのである。

（といってもその家族は何も危害を及ぼすわけではない）

 

 

 

毎日通る道路沿いに新しく家が建った。

 

 

 

毎日その家の横を通過していく。

 

 

 

そんなある日・・・。

 

 

 

いつも通り家の前を通過するとき何か違和感を感じた。

 

 

 

だが、そのときは何に違和感を感じたのかは気にならなかった。

 

 

 

しかし翌日直に答は判明した。

 

 

 

その家は・・・。

 

 

 

なにもかもが「黒」一色なのであった。

 

 

 

車は勿論。

 

 

 

自転車も。

 

 

 

バイクも。

 

 

 

干してある洗濯物も全て黒・黒・黒・・・・。

 

 

 

さすがに家の外壁は黒ではないが・・・。

 

 

 

別の日に住人とも遭遇するチャンスに恵まれたが・・・。

 

 

 

・・・・やはり！黒！

 

 

 

上も下も！

 

 

 

オヤジ子供も散歩してる犬も黒！

 

 

 

俺はいつの日からかその一家を勝手に「黒川さん」と呼んでいた。

 

 

 

家の前の道路を挟んで川。

 

 

 

黒好きで川の辺に住む・・・。

 

 

そう！

 

 

あなたたちは絶対に黒川だ！

 

 

 

それからというもの朝タイミングよく出くわしたときは。

 

 

 

心の中で。

 

 

 

「黒川さん！おはよう！今日も黒いな！」

 

 

 

と挨拶をする仲にまで発展（勝手に）したのである。

 

 

 

しかし・・・。

 

 

 

そんな俺と黒川さんとの甘い一時はある事をきっかけに脆くも音を立て崩れ落ちてゆくのである・・・・。

 

 

 

いつものように黒川さんの家を通りすぎようとしたとき・・・。

 

 

 

俺はある変化に気づいた。

 

 

 

黒ポスト横の門柱に。

 

 

 

黒の「表札」なるものを発見したのである。

 

 

 

「やっぱり黒川さんやろ！」

 

 

 

パチンコで言えば確変の期待値5つ☆！

 

 

 

７・・・７と揃いあとは真中。

 

 

 

派手なアクションを繰り返し少しずつ「７」へと近づいてゆく・・・・。

 

 

 

「お前は朝の通勤に何をやってるんだ？」

 

 

 

もう一人の自分が冷静に突っ込むが遅刻してもいいから見たい。

 

 

 

そして・・・。

 

 

 

見えた・・・。

 

 

 

 

 

・・・なんと。

 

 

 

・・・まさかの「白木」・・・・・・。

 

 

 

 

確変大外れ・・・・・・。

 

 

 

 

・・・いや！黒ちゃうし！

 

 

 

って川もないし！

 

 

 

何故凹んでいるのかわからないがとてつもない脱力感に苛まれ

もう会社などどうでもよくなった。

 

 

 

だが・・・。

 

 

 

ふと疑問が・・・。

 

 

 

「白木さんはなんで黒が好きなんだ？」

 

 

 

白にしとけよ！！

 

 

 

何故・・・。

 

 

 

何故なんだ・・・・。

 

 

 

聞きたい・・・。

 

 

 

物凄く聞きたい！

 

 

 

いつの日か声をかけ「白木屋」にでも誘って黒ビールを飲みながら

聞いてみたい！

 

 

 

 

・・・・・・・。

 

 

・・・・・・・月日は流れ。

 

 

 

ある日・・・。

 

 

 

表札が無くなっていることに気づいた。

 

 

 

そればかりか洗濯物が色とりどりになってるではないか！

 

 

 

まさかの引越し？

 

 

 

越してきたばかりなのに！？

 

 

 

車も黒じゃないーーーーーー！！

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・もはや迷宮入りである。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は道を変えることにした。

 

 

 

いつしかあの道を通ったら・・・。

 

 

 

今度はどうなってるのか？

 

 

 

白黒はっきりするのか？

 

 

 

とてもじゃないが怖くて確認できないが・・・。

 

 

 

ちょっと変わった真夏のミステリー。

 

 

 

如何だったであろうか。

 

 

 

節電対策の一環にでもなってくれた幸いである。

 

 

 

くれぐれも所在地など聞かないで・・・。

 

 

 

何故なら・・・・・。

 

 

 

怖いから・・・。

 

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