勧進帳の町のスタジアム (小松末広球場・弁慶スタジアム)
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Mr.black
2011年05月05日 11:46 visibility2257
石川県小松市。この町のJR小松駅から西へ徒歩10分程度の場所に比較的大きな総合公園があります。(小松運動公園)
この公園の中に「末広野球場」という硬式野球場があります。
「小松末広球場」、または単に「末広球場」と呼ばれるこのスタジアム。その歴史はかなり古く1950年代に建設されたそうです。老朽化が激しかったため2006年から改修工事にかかりました。この工事は2008年に竣工するという長期間で大掛かりなものになりました。
かつては3,000人収容だったスタンドが大きくなって10,000人収容となり、更に照明塔が新設されてまるで別物のように生まれ変わったスタジアム。
これを記念して「弁慶スタジアム」という愛称が付けられました。
上記の「末広野球場」の文字の横に小さく張ってある歌舞伎調の幕柄に「弁慶スタジアム」と書いてあります。
球場外観はご覧のような立派なもの。かつてはバックネット裏と1・3塁側に3分割されていたスタンドが一体化されて大きくなりました。
バックネット裏には白い膜屋根が設置されており、雨や太陽光を遮ることが出来ます。石川県は雨が多いのでこれは助かりますね。(この日も一時にわか雨。)
照明塔は6基。
座席はバックネット裏のオレンジ部分が背もたれあり、それ以外の水色部分は背もたれ無し、全て一人がけです。外野は芝生席。
両翼は98mから99.1mへ、
センターは120mから122mへと若干広くなりました。
スコアボードは磁気反転式。
全体的にはかなりのレベルの野球場になっています。地元の方で久しぶりに来たらしい人が「こんなにいい球場だったっけ?」と驚いていました。
最寄り駅から徒歩圏という地方球場にしては珍しい好条件なのでもしかしたらこれから公式戦の利用頻度が上がるかもしれません。(石川県立や金沢市民球場は若干アクセスが悪いので。)
最後に何故ここが「弁慶スタジアム」という名称になったかの説明です。
この小松市の海岸近くにはかつて「安宅の関」があったと云われているのです。
(実際にはこういう関は無かった?とも云われていますがそれはこの際おいておきます。)
弁慶(左から二人目)がこの関を通り抜けるために勧進帳を読み上げ、富樫氏(右)が義経一行とわかっていながら武士の情けで見逃してあげるという歌舞伎で有名なエピソードの地なのですね。(一番左が義経)
そしてこの小松市自体が歌舞伎が盛んな様子です。子供歌舞伎のポスターが駅や町にいっぱい貼ってありました。
そういうことが「弁慶スタジアム」の愛称が付けられた理由になっています。
北陸に新たに出現した立派なスタジアム。高校野球やBCリーグでの利用頻度が上がってこの地が栄えていければ、と思います。
写真は輪島高校ー七尾東雲高校戦。
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