野球場の変化(4) 神宮球場

  • Mr.black
    2014年12月14日 10:04 visibility3661

(1)~(3)まではアマ用の球場でしたが、今回は初めてプロ野球の本拠地球場についてです。

ただ、あまり改修がなされないアマ球場と異なり、プロ野球場は数年ごと、場合によっては毎年何らかの改修が行われますのでそれら全てを把握するのは不可能です。

なので目につくほどの大規模な改修による変化のみ取り上げます。

(座席や通路の間隔、形状などはとても把握出来ませんでした。)


まず長い前説。(苦笑)

私が神宮球場をTVなどで見たのは記憶がはっきりしませんが、1960年代終盤から1970年代初頭のことだったと思います。

その多くはプロ野球(ヤクルト戦)や東京六大学でした。

当時の神宮は内野クレー、外野天然芝、外野スタンド芝生席、スコアボードはパネル式というどちらかというと「大学野球の聖地」的な色彩が強い野球場でした。

プロ野球の本拠地でありながらアマ球場のように外野スタンドが芝生席というところが逆に気に入り、「いつか行ってみたい」と思いました。

しかし私の両親は野球には全く関心がありません。なので「神宮に行きたい」と言っても「そうか、じゃあ連れて行ってやる」などということは当然無く、自力で目指さないといけませんでした。(たった一度でも後楽園に行けたのはそれこそ奇跡的なことだったのです。)


しかし自力で行けるようになる前に神宮はその姿を徐々に変えていきました。

1978年(昭和53年)には外野スタンドが改築され、芝生席からイス席に変わりました。

更に1980年(昭和55年)にはスコアボードがパネル式から電光式に変化。

「くそ~、もう少し早く生まれていれば・・・・」と悔しい思いでTVの映像を見ていました。


芝生席もですが、それよりも悔しかったのはスコアボード。

神宮のボードは「パネル式」と書きましたが、実は気になる部分があったのです。

それは「得点表示」。大写しの映像を見ると得点の白い数字に一定間隔で黒い横筋が何本も認識出来ました。

「あの横筋は何だろう?それとイニングごとに数字の位置が若干上下にずれている。もしかしたらシャッターやキャタピラのように巻き上げ式か回転式なんじゃないのか?どんな動きをするのか実際に見てみたい」とずっと思っていたのです。

それが電光式に変化したことにより、現地で見ることが不可能になったのです。当時は非常に悔しかったです。


私がバイトでお金を貯めてようやく単身で神宮を訪れることが出来たのは1982年(昭和57年)の8月。この時は残念なことにグランドが全面人工芝になっていました。前年まで内野クレー、外野天然芝(ファールゾーンのみ人工芝)だったので「せめてあと一年早く来られれば。または改修が一年遅ければ」、と恨めしかった思いがあります。

写真はその時の物です。



かつて憧れた神宮とは別物といってもいいくらい変貌していました。

唯一変わって良かったと思ったのは外野のフェンス。写真では明るいブルーですが、それ以前は濃いグリーン。そして以前はフェンスに広告がありましたが撤廃されています。

学生野球の聖地なのでフェンスに広告がゴチャゴチャあるのが個人的には違和感がありました。なので撤廃はすっきり感が際立ち、これだけは嬉しい変化でした。

(今はフェンスに広告がありますがね。汗)


神宮の次の大きな変化は照明塔です。上の写真では旧式の鉄骨ですが、この後の1985年(昭和60年)には内野の4基が2本ポール式に変わります。

更に翌1986年には残った外野の2基もポール式に。これが現在の照明塔です。

このポールがグランドに向かってせり出しているのは珍しいですね。2本ポール式の照明は現在各地で多く見かけますが、逆L字型になっているのは神宮以外では記憶にありません。

照明の効率をアップする為にこういう構造にしてあるということです。



その後は

1995年(平成7年):スコアボードのカラービジョン化

2008年(平成20年):大規模リニューアルで人工芝張り替え、グランド拡張、ボードLED化

2011年(平成23年):ボックス席設置

などドンドン最新技術や流行を取り込んで大きく変化していきました。

今では学生野球の聖地というよりはプロ野球場としての色彩の方が強く感じられます。




↑ ボックス席。これを見ると「大学野球の聖地」というよりも「プロ野球専用球場」ですね。

ドーム化に反対する気持ちがあるのは「アマ球場の面影を残して欲しい」と思うからです。


先日書いたようにもし神宮周辺が再開発され、球場が建て替えられたらどんな姿になっているのか?見届けたいものです。


最後に。

神宮の変化は場内だけではなく、場外にも及んでいます。以下は私が撮影した写真で比較を。



これが初訪問時の正面。当時外壁は全て赤レンガ色の塗装でした。

(写真の横断幕には「第30回全国高校定時制通信制軟式野球大会」と書いてあります。私が神宮で初めて見た野球はこれでした。)



ラボーラに入ってから訪問した時の姿。2009年6月です。

正面の色が変わっています。これ、何色と表現していいのか難しい色合いですね。ちなみに正面口以外の外壁は茶色と赤レンガ色の中間くらいの塗装です。

(看板の色も変わっていますね)



一番新しい姿。2014年11月撮影。

看板の位置が上になり、窓や外壁の様子がかなり変わっています。

こうやって見るとプロ野球場はその姿をめまぐるしく変えていることがよく分かりますね。

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