痛感した温度差(近鉄・南海・阪急の比較)
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Mr.black
2015年04月29日 12:33 visibility1710
今回の「森ノ宮キューズモール」開業によって、関西の旧・NPB本拠地4球場の跡地開発は全て終了しました。
日生球場は近鉄球団が「準本拠地」としていたものの、近鉄自体が球場の所有者であったわけではなく、あくまでも間借りでした。なので今回の開発事業で旧球場の記念碑なり何なりが作られなかったことはある種当然のことだったのかもしれません。日生は基本的には「アマチュア用の野球場」だったということです。
しかしながら南海・阪急・近鉄の旧本拠地の一連の終焉を見続けた結果分かったのは「球団・球場に対する愛情の温度差」があったということです。
南海の「なんばパークス」にはホークスのメモリアルギャラリーがあり、ユニフォーム・トロフィー・チャンピオンフラッグなどが展示され、更には昔の映像が流されています。
また歴代の名選手の写真やプロフィールも展示されています。
↑ ホークスメモリアルギャラリー。中央の画面に昔の映像が流されます。
↑ 南海最後の監督、杉浦氏のユニフォーム。
阪急の「西宮ガーデンズ」には同じくギャラリーがあり、やはりユニフォームや各種記念品、選手のレリーフ、そして西宮球場の模型まで展示されています。もちろん映像記録も。
↑ 阪急が強くなり始めた頃のモデル。
↑ 阪急のギャラリーには西宮球場の模型まで展示されています。
↑ 「宝塚球場」で練習する阪急軍。後方の和風の建築物は当時の選手寮だったそうです。こんな映像まで見られるのが貴重です。
一方の近鉄は。
藤井寺球場の跡地はさっさと売却し、現在は四天王寺学園の大学と小学校が建っています。モニュメントもおよそ「野球場跡地」をイメージさせるにはほど遠いデザインの物があるだけ。
市と学校と近鉄の3者で費用を出し合った結果こういう中途半端な物になった様子。私個人としては「近鉄単独で藤井寺球場をはっきりイメージ出来る物を作りなさい。ファンの為にそのぐらいのお金は出してよ」、と言いたいところです。
↑ 正直「何じゃ、こりゃ~!」と言いたくなる藤井寺球場跡地のモニュメント。
(リニューアル時に写真が横向きになってしまいました。汗)
南海は大阪ミナミ、阪急は西宮という大きな都市が本拠地。
一方の近鉄は藤井寺という郊外の街が本拠地。立地条件が全然違うので同列に考えるのはフェアでないかもしれません。
しかし一つ一つ列挙していくと「球団・球場に対する愛情の差」は歴然としています。
↑ 上は旧・中モズ球場跡地のマンションに設置された「中百舌鳥(なかもず)総合運動場跡」の看板。この費用を誰が出したのかは分かりませんが、少なくとも写真は南海が提供しています。二軍球場の跡地にさえこういう看板がしっかりと作られている。ここに南海と近鉄の大きな差があります。
ちなみに私は常々「球場跡地には往時の球場の姿やその歴史を誰が見ても分かるような看板か銘鈑にして設置するのがベスト。そんなに大金を掛けなくていい。簡単な物でいい」と主張していますが、理想はこの中モズの看板です。
これならば球場の歴史や姿がそれを知らない後世の人間にまですごく明瞭に分かります。英語表記まであるのが凄いと思います。
正直なところ、この愛情の差は3球団が存在していた子供の頃からずっと感じていました。小学生でも感じ取れるくらい近鉄の球団に対する熱意の低さは明瞭でした。
当時は阪急が全盛期。圧倒的な強さでした。
しかし南海もまだ優勝争いしていた強い頃で昭和48年には優勝しています。
それに比べて近鉄の弱かったこと。そして球団の熱意の無さ。
「我ながら何でこんな情けない球団を応援しているんだ。南海か阪急に鞍替えしようか。そうすれば試合に勝っていい思いが出来る」、正直こんな考えを持ったこともあります。
でも結局は鞍替えはせず。最後まで近鉄ファンで通しました。
意外にも3球団の中では最も長く存続しましたが、その後の球団の末路、そして本拠地球場の末路を見ると「最後まで南海や阪急と差を付けられたな。悔しい・・・」という思いは尽きません。
悔しいのですが、近鉄ファンだったことを後悔はしていません。
「いい思い出だけが素晴らしいものになるのではない。つらい思い出も貴重なんだ」、と思っています。
「10.19」の時感じた狂おしいほどの悔しさ。だからこそ感極まったその翌年の優勝。近鉄を応援していたからこそ得られた歓喜・感動でした。
負け惜しみに思われるかもしれませんがね。(笑)
しかしながら一連の対応の悪さで私はこう思っています。
「半世紀以上も球団を保有しながら最後の詰めの悪さで近鉄はそれまでやって来たことの多くをドブに捨ててしまった」、と。
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- 事務局に通報しました。
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