「おおきく振りかぶって」の舞台訪問　その4　県営大宮球場

前回は市営大宮でしたが、今回は県営大宮球場です。

正式名は「大宮公園野球場」。通常は「県営大宮球場」と呼称されますが、時々「大宮公園球場」と表記されることもあるようです。市営とハッキリ区別する為でしょうね。

交通アクセスは東武の「大宮公園駅」や「北大宮駅」から徒歩10分程度。

これ以外にもＪＲ「大宮駅」からバス利用というルートもあるようで利便性の良い球場です。（こちらからだと徒歩では20分程度。歩けなくはないです。）

 

 

外側は神宮球場を連想させるアーチ状の回廊があります。

余談ですが、実写映画「タッチ」で試合会場として撮影されたのがここ。その理由は「外観が神宮に似ていたから」ということが一因だったようです。

 

「おお振り」では夏の5回戦（美氶大狭山戦）、そして一番最近のストーリー「秋季県大会1回戦（千朶戦）」の舞台として出てきます。

 

↑　「びじょうだい　さやま」、「せんだ」と読みます。どちらもシード校という設定。

 

 

正面口にはこのように掘り下げの階段があります。地形の関係でグランドは路面よりも低く、なので選手はここを下ってベンチ入りするらしいです。

 

夏の5回戦では西浦高校の対戦相手「美氶大狭山高校」の倉田捕手が「桐青（とうせい）高校」の前キャプテン・河合からルール違反のクギ刺しをされるシーンがあります。（下の通路で）

忠告を受けた倉田がもうやらないことを誓ってこの階段を駆け上がります。ラフプレーの指示をスタンドから送る美氶の仲沢呂佳（ろか）コーチとそれに盲目的に従う倉田選手を通じてダークサイドが少し描かれているのですね。

 

ところで西浦高校にとってこの県営球場は鬼門のようで夏の5回戦、秋の県大1回戦のいずれも敗れています。ここまで勝ち抜いて来る学校はどこも強豪校。いかに厳しい練習を積んで腕を上げても公立の新設野球部がそうそう簡単には勝てないという厳しい現実を描いているのでしょう。

 

 

アマ用としては県ナンバー1の球場。さすがに立派でした。そして近年は西武ライオンズが「地元密着」を打ち出してこの県営で公式戦を開催するようになっています。

両翼99ｍ、センター122ｍ。内野クレー、外野天然芝。

グランドは広く、そして外野フェンスも高いのでアマではＨＲが出にくい球場です。

バッターボックス後方には「ＯＭＩＹＡ」と表示が。市営は茶色でしたが県営はブルーで文字が見やすかったです。

この部分にはネクストバッターサークルがありますが、「おお振り」では9回ツーアウトになって追い詰められた西浦の打者、西広君がここで顔面蒼白になりながら打席に向かうシーンがあります。（結果は三振でゲームセット。）

 

照明は2本ポールの巨大な物が6基あります。ＮＰＢ公式戦が行われるくらいなのでかなりの照度があるのでしょう。

 

 

スタンドの収容数は2万人超。

バックネット裏の座席は背もたれ付きの個別席。大きな屋根があります。

 

 

中央の最後列のみ座面が跳ね上げ式でカウンターデスクがあります。手元灯があるのでおそらくは記者席なのでしょう。この日は特に閉鎖されていませんでしたが、ＮＰＢ公式戦や高校野球夏の大会などでは一般客は座れないと思われます。

 

 

1・3塁側は長イス。内野フェンスは少し高めですが、スタンドが大きいので上の方に行けば視界良好です。

 

 

外野スタンドはこんな感じ。

以前は芝生だけでしたが、傾斜がきつくて座りにくいとのことでライト側だけ木製の腰掛が設置されました。（設置は2012年頃？なお、レフト側はさほど傾斜がきつくないので従来のまま芝生のみ。）

 

 

「おお振り」ではライトスタンドはまだ芝生のままで描かれています。このポール際に美氶大狭山の4番和田選手のＨＲが飛び込んで西浦は主導権を奪われ、結果的に敗れてしまいました。

こうやって見るとかなりの傾斜ですが、私は何しろ香川の志度球場のレフトスタンドを体験しているのでまだ緩く感じました。志度球場のレフトスタンドは鬼のような急傾斜です。（苦笑）

 

 

ライト後方にはサッカー場が隣接しています。

大宮アルディージャの本拠地なのですね。丸い照明が面白いです。

ところで以前ブラゼル選手（当時は西武在籍）がライトに場外ＨＲを放ち、そのボールがこのサッカー場まで飛び込んだということで安全上ＮＰＢの試合とサッカーの試合は同時に行われないようになったそうです。（ただしアマの試合の場合は同時使用があるとのこと）

 

 

スコアボードはＬＥＤ式のようです。ここのは見やすかったです。

アマ球場らしくボードの右上には第一から第三試合まで結果表示が出せるようになっています。スピード表示もありますね。（審判名の上）

 

 

おそらくＴＶカメラを設置する場所と思われます。

カメラを見て西浦父母会の面々はどんな会話をしていたのでしょう？

 

 

万事素晴らしい球場なのですが、思わぬ欠点が。

これはネットを支えるワイヤーですが、トゲトゲの鳥除けがつけられています。この球場、とにかくカラスがたくさん居て所々フンまみれでした。

座る場所の選択に注意が必要かもしれません。

 

 

↑　どのワイヤーもトゲトゲだらけ。あまり見ない光景です。

よほどカラスのフン害がひどいのでしょうね？（汗）

 

 

神宮を連想させる回廊。この景色は大好きです。

 

 

夏大に敗れてベンチで泣きだす西浦の選手達。

それを鼓舞する百枝監督（モモカン）。女性だけど男前な監督ですね。