元西武・中島裕之、そして「リアル・モモカン」の母校
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Mr.black
2013年08月21日 10:58 visibility7516
先日の続きです。
兵庫県秋季大会1回戦の第二試合は「伊丹北ー伊丹西」戦。
伊丹の学校同士の対戦でした。兵庫の秋季大会はまずブロック大会から始まりますのでごく普通にありえる対戦ですね。(これは阪神地区Bブロック。)
1塁側:伊丹北高校。県立校。
白ユニにブルー基調の明るいデザイン。
胸には「ITAMI KITA」。袖とサイドのラインは2本。
この学校は元西武、そして現在はアスレチックスのマイナー(3A・サクラメント)に所属する中島裕之選手の母校です。西武で主力として活躍し、アメリカに渡ったスター選手。
そんな選手がごく普通の公立校出身だったという驚きの事実。これは西武のスカウト網、そして育成能力の高さを物語っていると思います。
さらにこの伊丹北出身者では山本夏穂(なつほ)という女性も一部では有名です。この女性は伊丹北でマネージャーではなく「選手」として野球部に所属。大阪体育大学卒業後に川西緑台高校の非常勤講師となり、そこで野球部のコーチに就任。
公式戦で試合前のノックを鮮やかにこなし、その姿から「リアル・モモカン」と言われた人です。
こんなに話題性のあるOB・OGの居る北高校。どんなチームか見られる機会を得られて幸運でした。
(ご存じない方への説明。「モモカン」とは野球マンガ「おおきく振りかぶって」に出てくる女性監督。「百枝まりあ監督」を選手たちが略して「モモカン」と呼んでいるのです。山本さんはゲンミツには監督ではなくコーチですが。)
こちらは3塁側:伊丹西高校。こちらも県立。
アイボリーユニに濃紺基調。
胸には二段で「ITAMI WEST」とマークが入っています。
マークの表記と配列は愛媛・宇和島東の「UWAJIMA EAST」を連想しますね。
こちらの学校もプロ野球選手を輩出しています。かつて西武にドラフト1位指名を受けた長見賢司という投手が居たのです。
長見投手も中島選手と同様全国的には無名の選手。それをいきなりドラ1で指名するという西武の戦略。おそらく「原石の輝きを持つ無名選手を発掘・育成する」のが当時の西武の重要な戦略だったのではと思います。同じ伊丹の公立校ということで関西圏でそういう役目を負ったスカウトが居て、その眼鏡にかなったのかもしれません。
残念ながら長見選手は大成しませんでしたが、西武ライオンズが選手の世代交代をその都度うまく進めていつの時代も優勝を争うチームでいたのはこういう「選手の発掘」戦略が巧みであったという証しだと思います。
かなり余談が長引きましたが、さて試合の方は・・・・。
伊丹北は背番号6の選手が先発。近年では珍しくなってきたアンダースローでした。
初回スクイズでいきなり1点を失います。
しかし北高はすぐに反撃。この西高の投手を捉えて2回に一挙5点を奪います。
3回途中までで6-1と伊丹北がリード。
西高の応援席からは「声が出ていないぞ!気合を入れろ!」と激が飛んでいました。
ピンチで伝令が出た北高。
残念ながら時間の都合で3回途中までしか私は観戦出来ませんでした。
帰る時には6-1で北高が優位に進めていたのですが、後で結果を見て驚き。9-8で伊丹西が大逆転勝利していました。
高校野球にはセーフティリードというものは無いのだなと痛感しました。
取れる時には1点でも多く取っておくべきなのでしょう。
普通の公立校が甲子園に出る、あるいは普通の公立校からプロ野球のスター選手が生まれる、そんな夢のような話がたとえ数は少なくてもこれからも起こることでしょう。
予選で無名の公立校の試合を見る時、よくそんなことを考えています。
ほとんどは夢物語で終わるのですが、ミラクルはある日突然起こるものです。
「ドラマティックな奇跡を探して」私は予選を見に行くのかもしれません。
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