近くて遠い甲子園 鳴尾高校

  • Mr.black
    2013年08月20日 11:48 visibility4911

昨日は甲子園球場で全国高校野球選手権の準々決勝が行われていました。ベスト8が勢揃いする一日4試合の復活ということで盛り上がっていたのですが、変わり者の私はそれに背を向けて全然別な場所を訪れました。(苦笑)

 

 

訪問先は伊丹スポーツセンター野球場。ここで秋季兵庫大会が行われていたのです。

(この日は1回戦2試合。)

 

 

お目当てはこの学校。県立鳴尾(なるお)高校。

西宮今津高校、西宮東高校と並び「距離的に最も甲子園に近い学校」のひとつです。

そして単に距離的に近いだけではなく、この学校は甲子園に春2回出場している古豪でもあります。

 

 

最も有名なエピソードは第23回のセンバツ。(1951年、昭和26年)

この時が初出場だった鳴尾。

それを祝う気分で高揚していたのでしょう。当時の応援団長が何とアジア象にまたがって甲子園のグランドに現れるという仰天のエピソードが残っています。

何故こんなことが出来たのか?

答えは簡単。当時甲子園のすぐそばに「阪神パーク」という遊園地兼動物園があったのです。(阪神パークはその後2003年に閉鎖。現在は「ららぽーと甲子園」という商業施設になっています。)

鳴尾の応援団長がこの阪神パークと交渉してメスの象「アキ子」を借り出し、背中にまたがったまま甲子園のグランドにやって来たというわけです。

 もちろん球場の許可は取っておらず、すぐに追い出されてしまったそうですが。(苦笑)

ともあれこれで勢いづいたのか鳴尾は初戦の静岡城内高校(現:静岡高校)戦に勝利するとあれよあれよと思う間に勝ち上がり、見事準優勝に輝きました。ちなみに初戦の静岡城内戦では鳴尾の野武投手がノーヒットノーランを達成しています。

 

翌年もセンバツに出場した鳴尾。この時はベスト4まで勝ち進みました。

 しかしそれ以降同校にとって甲子園は遠い存在になります。

近年は早期に敗れてしまうので予選でも実際に見る機会はなかなかありませんでした。

昨日は休みと試合日がマッチ。そこで急遽伊丹に足を延ばしたわけです。

 

 

 

これが鳴尾のユニフォーム。

薄いアイボリーユニに黒基調。胸には漢字で「鳴尾」。帽子には白で「N」。

非常にシンプルなデザインです。

 

 

到着した時には既に県立伊丹に0-3とリードを許していました。

その後も投手陣が捕まってどんどん点差が開いて行きます。

 

守備: 鳴尾

攻撃: 県立伊丹

 

 

こちらは対戦相手、県立伊丹高校。

兵庫の公立校の中では結構強い印象があります。

 

 

白ユニに濃紺基調。胸には「KEN ITAMI」とマークが入っています。

帽子はツートン。マークははっきり見えませんでしたが、「K I」と入っていたような・・・。

報徳学園、東洋大姫路の影響があるのかツートン帽は兵庫では比較的多い印象です。

 

 

 

 

↑ 県立伊丹のヘルメットは濃紺。

 

 

試合は一方的な展開になり、結局0-11の6回コールドで鳴尾は敗れました。

かつて甲子園で輝いた鳴尾。しかしながら正直な話、現状では甲子園はほど遠いようです。

 

でも甲子園出場を達成することだけが高校野球の全てではない、といつも思っています。

距離的には近いけれども限りなく遠い大舞台。その遠く大きな目標を目指して懸命に努力する姿勢こそが何よりも重要だと考えています。

先輩たちの築いてきた伝統と栄光を誇りに持ってこれからも戦ってほしいものです。

 

 

 

頑張れ、鳴尾高校。

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