スタジアム運営も苦労しますね

下記写真は大阪ドーム（京セラドーム大阪）で近年オリックスの試合を観戦された方なら目にしたであろう光景です。

３塁側スタンド上段に大きなオレンジ色の広告が見えますね。

１塁側上段には違う内容の広告があります。

本来はこの場所にも座席があります。そこを広告幕で覆ってあるわけです。

ちなみに阪神戦だといっぱいになるのでこの広告幕は撤去されています。なので大阪ドームで阪神戦しか観戦しない虎ファンの方々は見たことが無いかもしれませんがね。

何故こういうふうになっているのか？答えはすぐにお分かりのことでしょう。

「観客が少なく、スタンドが空席だらけになっているのを感じさせない為の工夫」なわけです。

更にこうすることによってこの部分を広告スペースとして利用出来、収益にもなりますからね。

大阪ドームがこうなったのはここ数年のことだったと思います。初めて見た時は「涙ぐましい努力をしているな・・・」と痛々しいものを感じました。

ところで実は海外でも同じようなことをやっているスタジアムがあります。おそらくはそちらの方が本家本元なのでしょうが。

それはMLBアスレチックスの本拠地、「オー・ドットコー・コロシアム」。旧称は「オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム」です。（通常は「オークランド・コロシアム」と略されます。）

アスレチックスはMLB有数の歴史と伝統を誇る球団です。しかし経営の都合で何度も低迷。その都度人気も激しく上下しました。

近年は「マネー・ボール」と言われる方式で経営合理化と戦力強化を何とか両立させようと奮闘していることで日本でも有名ですね。

しかし観客動員は年々減少気味。スタンドはガラガラであることが多いです。

閑古鳥の理由はチームの低迷・スターの不在だけでなく、球団が将来の移転を視野に入れてコロシアムの改修工事をあまりやらないことや立地条件の悪さ（治安も悪い）など色々あるのですが。

このコロシアムはアメフトチームと兼用なのでスタンドは大きく、観客が少ないと空席が目立ってしまいます。

そこでスタンド最上段の座席をスッポリと幕で覆って目立たないようにしてあるわけです。

あいにくここに写真を貼り付け出来ませんが、色々なスタジアムの風景写真で見るとおおよそ下記のようにしてあります。

＜バックネット裏の最上段スタンド＞

「ホーム・オブ・ザ・オークランド・アスレチックス」と英語で書かれた巨大な幕で全体を覆ってある。

＜外野最上段スタンド＞

センターにアスレチックスのチームロゴ。その左右に球団の永久欠番が並べてある。

これらの幕は濃いグリーンでスタンドの座席とほぼ同色。これにより巨大な看板に見え、座席がそこにあると感じさせないようにしてある。（文字は黄色）

大阪ドームのように広告ではありませんが、これによってスタンドがガラガラなのを感じさせないように工夫しているのは同じです。

なお、アメフトの時は観客の入りがいいのでこの幕は撤去されるようです。（涙）

大きな器を作って観客動員がついてこないとこういう苦労があるのですね。しみじみ。

最後に余談。

前述のオークランド・コロシアムに掲示されている永久欠番は下記のとおり。

９・２４・２７・３４・４２・４３、以上６つです。

この内、私個人が特に記憶に残っている選手は２人。（MLB共通の欠番４２のジャッキー・ロビンソンは除く。）

「９」のレジー・ジャクソンと「２４」のリッキー・ヘンダーソンです。

レジー・ジャクソンはヤンキース時代の記憶ですがね。ドジャースとのワールドシリーズでのＨＲ連発がもの凄いインパクトでした。（ヤンキース時代の４４も永久欠番）

リッキー・ヘンダーソンはＭＬＢ屈指のリードオフマンとして活躍。打ってよし走ってよし。守備以外は非の打ち所の無い選手でした。

個人的には日本のプロ野球本拠地球場にも目立つ場所に永久欠番を掲示してほしいと思っています。外野スタンド最上部とかフェンスとか空いているスペースがありますからね。