万博球場

先日訪れた万博球場（万博野球場）について書いてみます。
ここは名称でご想像がつくと思いますが1970年の大阪万博の跡地、「万博記念公園」の一施設として造られた野球場です。エキスポランド（遊園地。現在は例の人身事故の影響で閉鎖中）の東側に位置します。この野球場の北側にはサッカー「ガンバ大阪」の本拠地スタジアムがあります。

この野球場は造られてからもう30数年が経過していますが、その間、高校・大学・社会人など様々な野球に利用され続けています。大阪のアマチュア野球を支えている球場と言ってもいいでしょう。

この球場の一番の特徴は内野・外野スタンドのどちらも座席無しの全面芝生席であるということです。河川敷などにある草野球場やその他の軟式野球場は別にして、大学のリーグ戦などが行われる硬式野球場でスタンドが座席無しの芝生・土盛りのみの球場というのは全国的に見ても珍しいのではないかと思います。この為、グランドの芝生、外野スタンド後方の木々などとも相まって非常に緑が豊かな野球場です。この点では素晴らしい野球場ともいえます。

しかし問題点もかなり多い野球場です。

まずは交通アクセス。最近でこそ大阪モノレールが出来て多少アクセスが良くなったとはいうものの、他にはバスなどしか公共交通機関がないので立地条件はやや悪い方です。モノレールの駅からも15〜20分歩かないといけません。むしろマイカーの方が便利だと思います。（ただ、ビールを飲む人はそういうわけにはいきません。）

設備面も不十分で売店は仮設テントで出る程度。

トイレは場外にしかありませんし、数は少なくお世辞にもきれいとは言えない状態です。（外野のトイレは老朽化で閉鎖されています。オバケが出そうな雰囲気。）

そしてスタンドには屋根は一切ありません。真夏の炎天下での観戦は相当厳しいです。外野スタンドの最上段は木陰がありますので、ここがベストかもしれません。

さらにプレーする選手及び外野観戦客にとって不便なことにバックネット裏にアウトカウントの表示がありません。（ＳＢＯ表示。）これはかなり不便に感じました。

このように緑が豊かで気持ちがいいという長所と設備面の不足という短所があり、評価が難しい球場ではあります。どちらを取るかで評価は人によってかなり分かれるかもしれません。（自分も久々に評価に悩む球場です。）

大阪の野球場の環境はここ十数年ほどでかなり変化しています。これがこの球場にもどんな影響を与えるのか少々気にもなっています。

気になるのは二点。一つは昨年起こった人身事故の影響で現在、隣接するエキスポランドは閉鎖されているということ。（再開するメドは立っていません。）

もう一点はこの球場が先に書いたようにスタンドが芝生と土盛りだけで出来ている簡易な造りであるということ。造った当初、こんなに長期的に使用するという予定だったのかどうかが怪しい部分があります。交通アクセスの不便さ、エキスポランドの閉鎖、球場の老朽化、万博記念公園の利用状態の見直し、これらの条件が揃えば、場合によっては野球場が取り壊される可能性は高いのではないかとも考えています。

今回はこの点も見たくてここに足を運んだしだいです。
大阪の野球場の整備環境は今後どうなっていくのか？非常に気になります。
メンバーさんのお住まいの都道府県はどんな状況なんでしょうかね？これも気になります。

スタンドはこんな風に内野も全て芝生です。
敷物やクッションなどを持参したほうがいいです。
暑くない時期だとピクニック気分で観戦できると思います。

これは何だかわかりますか？関係者入り口です。バックスタンドの土盛りをくりぬいてトンネルにしてあります。ここを通ってバックネット下の関係者室に行くようです。何だかすごい。

レフト側からの眺望。向こうに白く見えているのは万博の象徴、「太陽の塔」です。

緑は非常に豊かな野球場です。