追憶のロスト・ボールパーク

先日偶然見つけたＢＢＭ社の特集雑誌、「追憶のロスト・ボールパーク」。

消滅したプロ野球場がたくさんの写真で紹介してあり、私にとっては垂涎ものですぐ買いました。税込で1，200円です。

掲載されていたのは

後楽園・川崎・ナゴヤ・大阪・藤井寺・西宮・日生・広島・平和台・東京Ｓ・駒澤でした。

私的に嬉しかったのはそれぞれの球場が2ページ見開きの大きな写真でほぼ全景を載せてあったことです。

一部の球場は航空写真でスタンド全景及び周辺の地形まで写っており、他は概ねバックネット裏の後方から可能な限りスタンド全体を写してありました。

面白かったのは東京スタジアムと駒澤球場。

東京スタジアムは「外野フェンスが平らでふくらみがなく、ＨＲ量産球場だった」とよく言われていました。しかし過去に見た写真は部分的なスタンド風景ばかりでいまひとつ臨場感がありませんでした。

それが今回はほぼ全景が写されており、丸みのある内野と平らな外野のフェンスが対比でよくわかり、ＨＲ量産球場と言われたのも納得しました。

もう一箇所の駒澤は航空写真で周辺の地形も少し写っていました。

周囲はほとんど空地（おそらく一部は畑）であり、所々民家が点在しているだけというおよそ東京都区内とは思えない風景です。

別角度の写真ではスタンド後方の民家に洗濯物が干してあるシーンも。何ともローカルな風情で微笑ましかったです。

しかし選手や観客にとっては風が吹けば土ぼこりが舞い込み、畑の肥のニオイが立ち込めたり、夏には蚊の大群に悩まされたりと決して芳しい環境ではなかったようですが。

そして今回一番良かった内容は各球場ごとに最多ＨＲを放った打者の氏名とＨＲ数が紹介してあったことです。これはありがたい資料でした。列挙すると下記のようなものです。（全て敬称略）

後楽園：　　王貞治　　　413本

大　阪：　　野村克也　　337本

広　島：　　山本浩二　　270本

ナゴヤ：　　宇野勝　　　171本

西　宮：　　長池徳士　　142本

川　崎：　　松原誠　　　135本

日　生：　　土井正博　　135本

平和台：　　中西太　　　107本

藤井寺：　　ブライアント　96本

東京Ｓ：　　榎本喜八　　　95本

駒　澤：　　山本八郎　　　28本

以上です。

だいたいは予想の付く顔ぶれですね。しかし意外と言っては失礼なのですが、宇野氏がナゴヤ球場の最多ＨＲ打者だったのは驚きました。珍プレーの方が有名ですが球団屈指のスラッガーだった証しですね。

その他、「野球以外での球場利用風景」の写真があり、これは球場史を知る上では貴重な資料です。

スキーのジャンプ台、サッカー・アメフト・プロレス・ボクシングなどのスポーツ、スケートリンク、モトクロスなどなど。結婚式の写真までありました。

（これは後楽園の物が多かったのですが、欲を言えば他球場の写真がもっと欲しかったです。西宮の競輪風景とか。苦笑）

そして雑誌の一番後ろには戦前戦後の短い期間存在したプロ野球開催球場の写真も。

洲崎・芝浦・宝塚・武蔵野・鳴海・上井草・横浜平和公園・戸塚、です。（戸塚は例外ですね。）

この中では武蔵野と戸塚だけが未踏破です。いずれ訪れてみたいと思っています。

ご興味のある方は書店でお探しください。