読みたい野球

 


 僕は「読む」野球が大好きだ。


 


 読む本の中でかなりの割合で野球関連の本が多い。


 


 今は新潮文庫の「佐賀北の夏」(中村計・著)を読んでいる。


 


 とても面白い。


 


 しかし、ふと考える。


 


 僕は歴史小説も好きだが、現代人で戦国時代の実戦を経験した人は誰もいない。


 


 となると、日本にたくさんいる歴史小説愛好家の誰もが想像でしか戦国の戦いを味わうことはできない。


 


 また、どんなに史料を読み込んで知識が豊富だとしても、歴史小説の書き手も戦国の「リアル」を表現し切ることは不可能だ。


 


 その点、野球はシーズン中はプロから少年野球まで日本中で一日に何試合も何試合も行われている。


 


 となると、野球小説や野球漫画では超リアルな世界を追求できるはずだ。


 


 ところが・・・僕は硬式野球というものを一度もしたことがないので、こんなに野球が「現実」の世の中にいても野球小説を自分の中の経験に落とし込んで楽しむということができない。


 


 つまり、僕の中では野球小説も歴史小説も同じ。


 


 野球に関するドキュメンタリーも歴史探求も同じ。


 


 これは悲しむべき現実なのだろうか????


 


 まあ、いいや・・・。


 


 しかし、僕は思う。


 


 いつか、書くことにも優れた才能をもった野球選手が、現役を退いた後「回顧録」を出版して欲しい。


 


 甲子園を舞台にした高校野球から、神宮での大学野球、そしてプロ、WBC・・・。


 


 その戦いの記録を、流した汗の一滴まで伝わるぐらいリアルに書き記して欲しい。


 


 それには、歴史に残る大政治家にして文筆の才にも恵まれたカエサルやチャーチルのような巨大な才能が必要なのかもしれない。


 


 しかし、僕は読んでみたい、そんな野球人生を読んでみたいのだ。


 


 そして、いつか、それはかなう気がする。


 


 そんな未来の文豪が、今日どこかの球場で引退後のとてつもない栄光を知る由もなく必死に今を野球をプレーすることに懸けて生きているのかもしれない。


 


 


 


 


















































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