伝統の一戦　意外な結末

同志社大　0　1　0　0　2　0　0　0　0　3　=　6
立命館大　0　0　0　1　0　1　1　0　0　0　=　3

　関西学生野球伝統の一戦のひとつ、立命館大学対同志社大学2010年秋季1回戦は、球場に詰め掛けたファンの期待通りの熱戦となった。

　この伝統の一戦で勝ち点を挙げた方が優勝を飾る。

　両校とも神宮への道を切り開くために絶対負けれられない一戦である。

　立命館先発、左腕の山田投手は立ち上がりが悪く、2回に満塁から内野安打で1点を献上。

　ここで立命館は早くも小松投手に交代。

　早い投手交代に球場はどよめいたが、これが功を奏し、最小失点の1点で切り抜ける。

　すると立命館は2回裏の攻撃で訪れた好機には早くも小松投手に代打を送り観衆は2度びっくり（ここでは得点ならず）。

　しかし、今年の立命館は細かい継投で勝負をものにしてきており、その後も永田投手、矢内投手、徳山投手そして工藤投手と実に6投手がリレーする展開。

　9回まで合計3失点に抑える。

　対する同志社大学は対称的に先発藤井投手が毎回のように安打を打たれながらも粘り強くマウンドを守る。

　藤井投手も9回を3失点。

　かくして伝統の一戦は延長戦に入った。

　力投する藤井投手を援護したい同志社打線は、延長10回、1死満塁とロングリリーフになった立命館の6人目期待の1回生工藤投手を攻め立てる。

　ここで工藤投手は渾身の投球で内野ゴロを打たせ、打球は前進ｓていた内野の守備網の手の中に落ち、3類走者ホームでアウト。

　1塁側の立命館応援席からは安堵のため息。

　しかし、次の打者だった。

　工藤-新田のバッテリーがまさかのパスボール。

　意外な形で1点が同志社に入る。

　まだ1点なら勝負は分からない。

　そして、気を取り直して、次の打者。

　ここで工藤投手が暴投・・・明らかに変化球のすっぽ抜けに見えた。

　3回から雨が降っており、ボールが滑ったのだろうか・・・。

　これで2点。

　立命館の雰囲気は重くなる。

　そして、次の打者の打席で同志社は意外な作戦に出る。

　1塁走者が2塁へ走る、立命館新田捕手が2塁へ送球。

　その瞬間に3塁走者が猛然とホームに突っ込んだ・・・重盗である。

　立命館、最後は心理戦に敗れたように見えた。

　同志社のスコアに3点が刻まれる。

　６−３。

　その裏、立命館は反撃を試みるも味方の得点で勇気を得た藤井投手(この方なんと主将でもあります！！）は175球を投げきり見事完投した。

　同士社大学が第1戦を制し優勝に王手をかけた。