我的愛球史 第36話 「優勝です!」


  (写真と記事は関係ありません)
 
 今日はプロ野球ドラフト会議。

 僕は例年この日をクリスマスよりも元旦よりも、自分の誕生日よりもワクワクして迎えています。

 阪神は抽選に弱く、清原和博さん、野茂英雄さん、松井秀喜選手・・・と、もし入団すれば阪神の歴史を変えていたであろうその年の注目選手を悉く外してきていますが、今年あたり、ぼちぼち大当たり引きそうな予感がしています。

 さて、久しぶりの「愛球史」ですが、僕にとって最も思い入れの深い1992年のシーズンのタイガースのベストゲームといえば、9月16日の広島戦です。

 あまりに有名な試合で、阪神ファンの方じゃなくても、「新庄がセンターに抜けそうな打球を・・・」といえば「ああ!あの試合ね!」と必ず返してくれる伝説の試合。

 この前日、阪神はついに首位に立っていました。

 この年は6球団に力の差が無い中で、常に首位戦線に食い込んでいたタイガースですが、常に誰か主力が故障しているというチーム事情。

 そんな苦境の中何とか選手が団結して、船体に開いた穴をみんなの手で塞ぎながら漕ぎ着けた首位です。

 その日の試合は先発投手湯舟敏郎選手が好投して広島打線を抑えていきます。

 しかしタイガース打線が湯舟選手を援護することができず、両チームとも無得点の回を重ねていきます。

 8回表、ついにタイガースは2死満塁のピンチを迎えます。

 バッターは百戦錬磨の山崎隆造選手。

 疲れの見える湯舟選手から放った打球はセンターへ!

 「ああ、センター前ヒットだ・・・負けた・・・」

 球場に上った悲鳴が歓声に変るまで僅か数秒でした。

 センター新庄剛志選手がダイビングキャッチでそのボールが芝に落ちる一瞬前にグラブの中に収めていたのです。

 万雷の拍手と歓声を浴びてベンチに戻る新庄選手。

 そして新庄選手がこの試合で再びヒーローになるのも僅かその十数分後でした。

 広島の守護神大野豊選手からサヨナラ2ラン!!

 この年の阪神のサヨナラホームランは意外にもこの1本だけ!

 試合後のヒーローインタビューではインタビュアーの

 「ファンの皆さんが期待しておられることはもちろん分かっておられますよね?」

 という問いかけに即

 「はい、優勝です!!」

 と力強く言い放った新庄選手。

 甲子園に詰め掛けた満員のファンのボルテージはこの瞬間が恐らく最高だったことでしょう・・・。

 そう、真に残念ながら、本当の歓喜の瞬間はこの年、やってこなかったのです。

 1992年の回顧を数回に渡って書かせて頂きましたが、この回顧もクライマックスを迎えたこの回で終わることにして、明日からは時計の針を1993年に進めることにしようと思います。



 
 

 






























































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