生涯1度きりの監督就任のチャンスでした
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こじっく
2010年11月23日 10:42 visibility141
実は・・・僕は野球チームの「監督就任要請」を受けたことがあります。
その時のことを思い出すと、今でもとても幸せな気持になります。
僕は2002年から2年間、介護福祉士の養成校に在籍しました。
そして、介護福祉士の資格を取らせてもらったのですが、当時は知的障害者施設への就職を志望していました。
しかし、事前にいい感触を得ていた施設さんに最後の段階で断られる・・・・という困ったことがおきてしまいまして、結局、伝を辿ってある老人ホームに拾っていただくような形で就職させていただくことになりました。
その時で「ああ、もう知的障害者の方々と関わる仕事はできないんだな・・・」と諦めたのですが、意外な展開が待っていました。
僕は当時、知的障害者の方のガイドヘルパーのアルバイトをしていたのですが、僕が楽しそうにそのアルバイトをしている様子を見た方が、ある知的障害者団体の「日曜教室」にスタッフとして関わらないか・・・と誘って下さったのです。
僕はその日のうちにその誘いをお受けすることにしました。
こうして、隔週日曜日は知的障害を持つ方々と色んな社会勉強をしたり、レクリェーションをしたり、年に2回は旅行にも行く・・・という活動に参加させていただくことになりました。
楽しかったな・・・。
僕はその頃20代だったので体力だけはありました。
「日曜教室」に集まってくる知的障害を持つ方々に野球好きが多いことがわかると、毎回グラブと軟球やゴムボール、そのうちプラスチックのバットまで持って「教室」が始まるまでの時間は野球をしていました。
すると、毎回僕と野球をしてくれていた方の一人が、桂川の河川敷を一日歩いて、何十球もの軟球やソフトボールを拾ってきて下さいました。
僕はびっくりしました。
そして、それを預からせて頂き、みなさんと野球をするために使わせて頂きました。
一度は「教室」の中でのレクリェーションとして、京都御苑の中のグランドで野球をしたことがありました。
ボールはゴムボール、バットはプラスチック、ベースはダンボールです。
でも、最高に楽しかった。
河川敷でボールを拾ってきた方がグランドの外までボールを飛ばしホームランを打ちました。
100円ショップで売っているゴムボールでも、特殊な樹脂でできている中身まで詰まっているボールがあって、中空のボールの3倍ぐらい飛距離が出るものがあったのです。よく飛びました。
その帰り道、ホームランを打った方が僕に言ってくれました。
「先生(僕のことです・・・)、僕らで野球チーム作ろう。先生、監督やって・・・」
僕は、この言葉が忘れられません。嬉しかった。この言葉は、生涯で色んな人からもらった嬉しい言葉の中で間違いなく5本の指に入ります。
そして、僕は色んな人に相談しながら「野球チーム」創設のために動いたのですが・・・・
これは難しかった。
僕に「監督就任養成」をしてくれた人に一度だけ電話をしたことがあるのですが、その方は電話の声だけでは僕のことが誰か分かってもらえなかった。
つまり、実際に顔を合わせて話さないと僕を認識できない方だったんです。
そんな具合で、乗り越えなければいけないことはたくさんあったのですが、僕は諦めずに野球チーム創設に向けて動き続け、その一環として隔週日曜の練習はみなさんと欠かさずにしていました。
旅行先でも野球用具を持っていって、4人ぐらいで練習していました。
淡路島のテニスコートでした練習・・・忘れられないなぁ。
夜はみんなとプレイステーションで野球ゲーム。
本当に楽しかった。
僕が「日曜教室」最後の参加になった日も、練習していました。
そうです。僕はこの生きがいだった「日曜教室」を突然辞めなければいけない出来事があったのです。このことについて僕はまだ完全に心の整理がついていません。それぐらい痛恨の出来事でした。
こうして僕が「日曜教室」に参加できたのは2004年春から2006年夏まででした。
思えば、高校球児の入部から引退と同じ約2年半の活動でした。
これが野球の神様が特別にプレゼントしてくれた、僕の遅い遅い「高校野球」だったのだ・・・と思うことにしています。
その後、僕は職場で草野球チームを立ち上げました。
あの時は、悲しみを振り切りたかった。
そして、その職場を僕が辞めて今の職場に転職するまで、草野球を職場の仲間と楽しみました。
僕は、幸せ者だと思います。
今は、「日曜教室」の野球仲間にも、前の職場の野球仲間にも感謝の気持で一杯です。
僕は「野球部」というものに所属したことのない野球人生でしたが、十分に納得いく野球人生を与えてもらったと思っています。
そして、これからは野球を見ることを精一杯楽しみたいと思っています。
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- 事務局に通報しました。
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