野球読書日記「ロッテオリオンズ 川崎郷愁」

 

 

野球観戦に行けなくなってから読んだ本の振り返り二冊目です。

 ベースボールマガジン社 ベースボールマガジン2022 ① 「1978~1991 ロッテオリオンズ 川崎郷愁」

 

 私は小学生低学年の頃、「8時だよ全員集合!!」の放送時間中に流れていたロッテ「木の葉」というお菓子のCMが大好きでした。ロッテオリオンズの主力選手の豪快な打撃練習風景が流れていたからです。今思えばスタンドにポンポン打球を放り込んでいたのはきっと落合博満さん!これが私のロッテオリオンズの初印象。

 あと、小学校6年の頃、中学入試模擬試験の帰りに寄るロッテリアで、ハンバーガーやポテトの乗るトレーの上に敷いてある紙にオリオンズの選手紹介があったのです。「マサカリ投法の村田選手」「おしゃれな水上選手」「新人から2年連続3割を打つ横田選手」・・・。こうしてロッテの選手の名前を覚えました。

 ただ、この頃の私は「何でロッテはホームもビジターも胸のネームが『LOTTE』なんだろう。ホームは『Orions』であるべきだ」と思っていました。

 その疑問が30年以上を経て、この本を読み氷解しました。

 オリオンズは、ロッテにネーミングライツを売却していた時代があるのですね。そういう過程があり、ロッテが経営権を持つようになったので、胸の「LOTTE」は歴史的な経過の証人だったのです。

 

 そして川崎時代のロッテと言えば10.19。

 近鉄バファローズから見た10.19はよく取り上げられる様に思いますが、ロッテからの視点は新鮮です。

 監督だった有藤道世さんの回想に驚きました。少し引用させて頂きます。

 「この日を有藤は回想する。

伏線があった。第2試合の初回、二 番佐藤健一(のち兼伊知)が死球を受 けてうずくまった。

『心配で見に行ったら、近鉄の監督の仰木彬さんも出てきて「痛いなら代われば?」とちゃかしたんです。それで頭に来て、「あんた何を言っているんだ。謝るのが筋だろう」と言い返してね。僕も単純なものだから絶対に負けるものかとなって』」(33頁)

 これが第2試合9回裏の抗議につながるわけです。

 まさに運命を分けた人間ドラマ。

 

 あと、ジプシー球団と呼ばれていたロッテが川崎に本拠地を定めるまでの政財界を舞台にした駆け引きの記事も読み応えがあります。

 

 最後に、私は関西人なので、野球帽と言えば阪神でした。周りに巨人や広島、近鉄、阪急を被る友達はいました。しかし、ロッテ帽を被る人を見たことがありませんでした。

 それが、中学2年の時、尾瀬に行くと山道でロッテ帽を被った小学生から登山のマナーで「こんにちわ」とあいさつしてもらい「あぁ!やはりプロ野球は12球団じゃなきゃ!」と大変感動した記憶があります。

 川崎のロッテオリオンズ、大好きでした。

 

 

 

 

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