野球読書日記「ベースボール英和辞典」

  この本について、ずっと昔にLaBOLAの日記で書いた記憶があります。良い本です。

 佐藤尚孝さんという大学の先生が書かれた野球専門の英和辞典なのですが遊び心と野球愛にあふれています。メジャーリーグに関して2001年の情報で止まっているのですが、そんなことが小さなことに思える程面白い。本の価値は新しさではないですね。

 普通の辞書なら巻末についている付録的な章が冒頭にあって、アメリカ野球を一から解説しています。アメリカに住んで、地元の新聞で野球記事を読む時にスッとその世界に入って行けるように最高のガイドになっています。もちろん、スタジアムでカードをつけながら観戦する時の知識も身に付く様になっています。これを読んでいると「メジャーリーグを観にアメリカへ行きたい」という気持ちが高まります。

 英和辞典の部分も野球ファンの知識欲が満たされる情報が満載です。ごく一部を紹介すると動詞としての「doctor」という単語を野球の視点からみるとこうなります。

 

「doctor ① 〔バット, ボール, グラウンドなど)に不正工作をする (⇒ doc- tor the ball; doctor the bat doctor the grounds). ②不正工作者。 (由来) 「製品に混ぜ物をして粗悪品を作る」の意味から、(参考) 日本ではバッ トボール, グラウンドなどに不正工作をすることはまず考えられないが、メジャーリーグでは有名選手でも審判員に見つからないように様々な工作を してきたノーラン・ライアン, マイク・スコット, ドン・サットンなどの 好投手(又名捕手ョギ・ベラも)がボールに傷をつけたといわれる。又、芯 をくり抜いてコルクを詰めたバット (corked bat) の使用も珍しくなく、 発 見されて出場停止になる選手がいる. 様々な問題を起こしたアルバート・ベ ルが使用した不正バット事件についての Buster Olney 作 Yankee Ends Real Corker of a Mystery は興味深い。 2003年6月にシカゴ・カブスのミ ソーサがそれを使用し退場・出場停止処分を受けた. 又, グラウンドの工作 についてはCobb's Lake.」

 

 普通の英和辞典なら先ずは書いていないことばかりです。そして記述に全く遠慮がない。そこがいい。

 この一冊を手にメジャーリーグ、そして奥深いアメリカ野球の世界を楽しみたいものです。

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