野球読書日記 映画編「42~世界を変えた男~」

決して痛快な映画ではないと思います。

見ていて心の締め付けられる場面もあります。しかも、そこそこ長いシーンです。

しかし、だからこそラストシーン近くのホームランの爽快さ。

 

メジャーリーグ初のアフリカ系アメリカ人選手ジャッキー・ロビンソンの伝記映画です。

第二次世界大戦で人種を越えて団結し勝利したアメリカ合衆国でしたが、戦争が終わってもプロ野球の世界では明確に人種の壁がありました。

ワールドシリーズ制覇を目指すブルックリン・ドジャースのGMブランチ・リッキーはチーム強化の切り札としてニグロリーグからの選手補強を断行します。白羽の矢が立ったのが高い身体能力と野球センスを誇るジャッキー・ロビンソンでした。

マイナーリーグでの鍛練を経てジャッキーは晴れてドジャースの一員になります。しかしそれは苛烈な差別との戦いの始まりでもありました。

野球の能力だけでなく、自己を律する心の強さを示しフロントやチームメートの信頼を得ていくジャッキー。

心ない罵声を浴びせられる中で、ドジャースの中心選手ピーウィー・ルイスが観衆の目が集まる中でジャッキーと肩を組み「明日の試合で全員が背番号42を付けるか。そうすりゃ見分けがつかないだろ」と話しかけるシーンは胸を打ちます。

そして明かされるリッキーがジャッキーを獲得した真の理由。

 

この映画はただ歴史的事実の紹介でも偉人の顕彰でも人権問題の啓発を行うだけの作品ではないと思います。

我々の人生誰もに起こりうる、勇気を出したゆえに降りかかる理不尽との戦い方や心のあり方を教えてくれます。

どこの国の誰が見ても普遍の学びがあり、感動を呼ぶと思います。例え野球を見たことがない人がこの映画を観てもそれは同じだと考えます。

それぐらいパワーのある大きな映画です。

 

 

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