日本へ来ないブラジルサッカー選手
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viva
2011年10月18日 19:13 visibility121
ブラジル全土が動向を注視する人物がいる。それは予想外とされた利下げを行った中央銀行総裁ではなく、先月にがん克服を宣言したルセフ大統領でもない。「カナリア軍団」の愛称で親しまれ、あがめられ、ときに非難の的となるサッカー代表チームの監督である。今月12日、メキシコの都市トレオン。ブラジルはメキシコとの親善試合を2-1で勝利しメネゼス監督(49)は称賛を浴びた。魔術師の異名を持つロナウジーニョ(31)は4年ぶりのゴールを決めた。 7月17日。女子W杯ドイツ大会で「なでしこジャパン」がPK戦の末に初優勝を遂げた夜、ブラジル人は失望に暮れていた。同じ時間帯に男子代表が南米選手権の準々決勝でパラグアイにPK戦の末敗れ、3連覇を待望した国民から監督への批判が巻き起こった。 リオデジャネイロの会社員、ダニエル・カルバリョさん(23)は「若手が経験を積まなければW杯は厳しい。なでしこみたいな主将が必要だ」と話した。
ブラジルはW杯で最多の優勝5回。全土に783のプロチームがあり1万5千人の選手が所属する。W杯で代表が戦う日は職場や学校が休みとなり路上から人影が消える。監督は常勝を義務づけられ「大統領より重要で困難」とされる。
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)の一角、ブラジル。3年後の2014年、64年ぶりにブラジルで開かれるW杯は、16年リオ五輪とともに「先進国」への登竜門となる。国家投資は計700億ドル(5兆6千万円)超。シルバ・スポーツ相は「経済成長を反映し国力の伸びを印象づける大会になる」と述べた。
1950年大会で建てられ「聖地」と呼ばれるリオのマラカナン競技場。20万人の収容数を7万6千人へ縮小して近代化し、決勝とリオ五輪の舞台とする予定だが、作業員の待遇改善を求めるストが相次ぎ工事は滞っている。
インフラ整備も遅れ改修中の13空港は10空港が間に合わない。ブラジル初の高速鉄道計画は入札が3度延期され、先月末には首都ブラジリアの連邦裁判所が陸運庁へ計画の一時中止を命じた。完成はW杯どころか五輪の3年後の見通しだ。 W杯の影で、スター選手らの動向にも異変が起きていた。サンパウロ中心部のパカエンブ競技場。ブラジルを代表する古豪コリンチャンスの試合は、ピッチを挟んで声援と罵声がぶつかり合い、突き動かされるように選手たちが緑の芝生を駆け回る。観客の会社員、ブスタブ・カバルゴさん(30)は「ロナウドが帰ってきてすべてが変わった。スター選手が次々と戻ってきて、断然盛り上がるようになった」とまくし立てた。2008年、破壊力のあるドリブルで「超常現象」の異名を持つ元ブラジル代表、ロナウド(35)が伊ACミランからコリンチャンスへ移籍した。月収は歴代最高の180万レアル(約9千万円)。今年2月に引退したが、その後もロナウジーニョ(31)、ロベルト・カルロス(38)、デコ(34)ら屈指の選手が凱旋帰国した。ブラジルの市場調査会社によると、海外へ移籍する選手は02年の年間665人から増加傾向だったが、08年の1176人をピークに減少に転じ、09年は1017人。かつて選手を送り出すだけだった「純輸出国」に回帰現象が起きている。ブラジルのスター選手は「王様」ペレ(70)の時代から貧しい家庭の生まれが多かった。ロナウドもリオデジャネイロのスラム街で育った。教育も満足に受けられず、自らの足を資本に欧州など海外への道を切り開いた。チームも若手を海外へ送り込み、巨額の移籍金を得て運営できた。近年、経済成長に伴いサッカーの入場数やグッズの販売が伸び、放映権料は高騰した。チームの経営は潤い選手強化費は10年、前年から61%増の7900万ドル(約60億円)。同じ年に29%下がった欧州を尻目に選手を「逆輸入」し始めた。 ジャーナリストの田崎健太さん(43)は「報酬が上がり愛国心の強い彼らが帰るようになった。欧州との報酬格差が縮まり、選手として余力のあるうちに帰国するロナウドのような例が増えた」と指摘する。より長く母国で活躍する選手も現れた。ペレが絶賛するサントスのネイマール(19)は、スペインのレアル・マドリードからの700万ユーロ(約7億円)の申し出を断ったという。98年W杯仏大会で日本サッカー史上初の得点をアシストした呂比須ワグナー(42)は現在、地方リーグのパウリスタで監督を務める。呂比須監督は「強豪がとんでもない額を出すようになり地方クラブは大変だが、結果を出したい」とよどみない日本語で話した。サンパウロ州の田舎町で8人兄弟の末っ子に生まれ母親のお古のストッキングで作ったボールで練習した。名門サンパウロと契約後、18歳で来日し日本サッカーの底上げに貢献した。93年に開幕したJリーグはドゥンガ(47)ら有力選手を「大量輸入」した。94年W杯米国大会で優勝したブラジル代表には前後に来日した7人が名を連ねている。その一人、元セレッソ大阪で現在はサンパウロで代理人業を営むジルマール氏(52)は「当時のJリーグは知名度アップのため大金でスター選手を呼んだ。現在は若い選手を安く獲得するようになり、われわれが選手を送るのも容易でない。オイルマネーの中東やロシアが大金を投じている」と話す。代わってコロンビアなど周辺国の選手が来日し始めた。日本経済の低迷も手伝いJリーグに現在ブラジル代表経験者は1人もいない。
呂比須監督は「ブラジル人にとって日本はもう金銭的な魅力はないかもしれない。だが日本の規律、学習能力を学ぶことは必ずプラスになる」と声を強めて語った。産経新聞
お金が稼げなければ日本は単なるアジアの片隅の国なのかもしれない
日本にいるブラジル人たちが日本の規律やルールを学べているのだろうか
ロペスが日本国籍をとっても日本で働けないという現実があったようだ
ブラジルはW杯で最多の優勝5回。全土に783のプロチームがあり1万5千人の選手が所属する。W杯で代表が戦う日は職場や学校が休みとなり路上から人影が消える。監督は常勝を義務づけられ「大統領より重要で困難」とされる。
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)の一角、ブラジル。3年後の2014年、64年ぶりにブラジルで開かれるW杯は、16年リオ五輪とともに「先進国」への登竜門となる。国家投資は計700億ドル(5兆6千万円)超。シルバ・スポーツ相は「経済成長を反映し国力の伸びを印象づける大会になる」と述べた。
1950年大会で建てられ「聖地」と呼ばれるリオのマラカナン競技場。20万人の収容数を7万6千人へ縮小して近代化し、決勝とリオ五輪の舞台とする予定だが、作業員の待遇改善を求めるストが相次ぎ工事は滞っている。
インフラ整備も遅れ改修中の13空港は10空港が間に合わない。ブラジル初の高速鉄道計画は入札が3度延期され、先月末には首都ブラジリアの連邦裁判所が陸運庁へ計画の一時中止を命じた。完成はW杯どころか五輪の3年後の見通しだ。 W杯の影で、スター選手らの動向にも異変が起きていた。サンパウロ中心部のパカエンブ競技場。ブラジルを代表する古豪コリンチャンスの試合は、ピッチを挟んで声援と罵声がぶつかり合い、突き動かされるように選手たちが緑の芝生を駆け回る。観客の会社員、ブスタブ・カバルゴさん(30)は「ロナウドが帰ってきてすべてが変わった。スター選手が次々と戻ってきて、断然盛り上がるようになった」とまくし立てた。2008年、破壊力のあるドリブルで「超常現象」の異名を持つ元ブラジル代表、ロナウド(35)が伊ACミランからコリンチャンスへ移籍した。月収は歴代最高の180万レアル(約9千万円)。今年2月に引退したが、その後もロナウジーニョ(31)、ロベルト・カルロス(38)、デコ(34)ら屈指の選手が凱旋帰国した。ブラジルの市場調査会社によると、海外へ移籍する選手は02年の年間665人から増加傾向だったが、08年の1176人をピークに減少に転じ、09年は1017人。かつて選手を送り出すだけだった「純輸出国」に回帰現象が起きている。ブラジルのスター選手は「王様」ペレ(70)の時代から貧しい家庭の生まれが多かった。ロナウドもリオデジャネイロのスラム街で育った。教育も満足に受けられず、自らの足を資本に欧州など海外への道を切り開いた。チームも若手を海外へ送り込み、巨額の移籍金を得て運営できた。近年、経済成長に伴いサッカーの入場数やグッズの販売が伸び、放映権料は高騰した。チームの経営は潤い選手強化費は10年、前年から61%増の7900万ドル(約60億円)。同じ年に29%下がった欧州を尻目に選手を「逆輸入」し始めた。 ジャーナリストの田崎健太さん(43)は「報酬が上がり愛国心の強い彼らが帰るようになった。欧州との報酬格差が縮まり、選手として余力のあるうちに帰国するロナウドのような例が増えた」と指摘する。より長く母国で活躍する選手も現れた。ペレが絶賛するサントスのネイマール(19)は、スペインのレアル・マドリードからの700万ユーロ(約7億円)の申し出を断ったという。98年W杯仏大会で日本サッカー史上初の得点をアシストした呂比須ワグナー(42)は現在、地方リーグのパウリスタで監督を務める。呂比須監督は「強豪がとんでもない額を出すようになり地方クラブは大変だが、結果を出したい」とよどみない日本語で話した。サンパウロ州の田舎町で8人兄弟の末っ子に生まれ母親のお古のストッキングで作ったボールで練習した。名門サンパウロと契約後、18歳で来日し日本サッカーの底上げに貢献した。93年に開幕したJリーグはドゥンガ(47)ら有力選手を「大量輸入」した。94年W杯米国大会で優勝したブラジル代表には前後に来日した7人が名を連ねている。その一人、元セレッソ大阪で現在はサンパウロで代理人業を営むジルマール氏(52)は「当時のJリーグは知名度アップのため大金でスター選手を呼んだ。現在は若い選手を安く獲得するようになり、われわれが選手を送るのも容易でない。オイルマネーの中東やロシアが大金を投じている」と話す。代わってコロンビアなど周辺国の選手が来日し始めた。日本経済の低迷も手伝いJリーグに現在ブラジル代表経験者は1人もいない。
呂比須監督は「ブラジル人にとって日本はもう金銭的な魅力はないかもしれない。だが日本の規律、学習能力を学ぶことは必ずプラスになる」と声を強めて語った。産経新聞
お金が稼げなければ日本は単なるアジアの片隅の国なのかもしれない
日本にいるブラジル人たちが日本の規律やルールを学べているのだろうか
ロペスが日本国籍をとっても日本で働けないという現実があったようだ
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