ヨコハマ・フットボール映画祭/メキシコ映画
-
viva
2011年02月20日 06:30 visibility138
ヨコハマ・フットボール映画祭実行委員会のイチオシの作品といえば、メキシコ映画の「ルド and クルシ」南米メキシコリーグといえば、日本人選手もそんなに数多くは渡ってはいない。いまだと、横浜F.マリノスの小野 裕二の兄、小野悠斗が所属しているものの、さすがにそのサッカーカルチャー事情までは伝わってくることはない。そんなメキシコのサッカー事情・・・・えっ!本当にこんなのでいいの?というような映画がコチラ。「ルド and クルシ」。今回は、この映画祭実行委員会で映画通のひとりである上野直彦さんに、本国メキシコで大ヒットしたこの映画について語ってもらうことにいたしますルド&クルシ W杯の観戦によく行かれる方は必ず見かけるだろう、ソンブレロ(ガウチョが用いる登頂部分が高くつばが広い帽子)を被ったサポーターたち。ユニフォームの色は緑。そう、メキシコサポーターである。試合の中継で観客席が映ると必ずソンブレロはいる。それこそ開幕戦から決勝戦まで。そしてどのスタジアムでも彼らは盛り上がっている。場合によっては、その試合の当該国のサポーター以上に。約4年前のドイツワールドカップ、移動のICE(ドイツ新幹線)でたまたま彼らの占拠する車両と同じになった。隣に座っていたオヤジに聞くと、4年間貯金してW杯でいろんな国に来るのが人生の唯一の楽しみだとういう。本当の人生の楽しみ方を知っている人はあの国には多いらしい。そのうち始まった浮き球のパス回しに、アジアからも?飛び入り参加しました。揺れる車内でも膝下が安定し、みんな上手い。それも年配の人まで。よく日本人と体躯的に似ているといわれるけど、その骨太感や敏捷性、またある種のズル賢さは全く違うように感じました。とにかく陽気で、酒と女とサッカーが大好きで、しかも抜け目ない。そんな国から1本の傑作サッカー映画がやってきた!それが『ルド&クルシ』。「天国の口、終わりの楽園。」のアルフォンソ・キュアロン、「バベル」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、「バンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ…映画ファンが聞いたら堪らないメキシコ映画界を代表する3人の映画監督が立ち上げた製作会社「チャ・チャ・チャ・フィルムズ」。その第一弾が本作『ルド&クルシ』だ。それがオモシロクないわけがない!本国では異例の500館、4ヶ月以上のロングラン上映のスーパーヒットとなった。 主人公はサッカーバカの兄弟。ギャンブル好きの乱暴なゴールキーパー・兄のベト(ディエゴ=ルナ)、あだ名は"ルド=タフな乱暴者"。弟タト (ガエル=ガルシア=ベルナウ) は歌手を夢みるチャラいストライカー、"クルシ=脆弱な自惚れ屋"。 Storyもいたって簡単、要するにこのグータラ兄弟のどうしようもない人生と、酒と女とサッカーのお話である。だがそれがこの上もなく笑えて、面白く、元気がもらえる。そして、なぜかボールが蹴りたくなる…。「人生はギャンブル。入るシュートも外れるシュートもある。運命を分けるのはもちろん神の意志と、蹴る時に加える回転の具合だ――」時おり入るナレーションで「サッカー=人生」的な名言・箴言もこの映画の魅力のひとつです。思わず聞き入ってしまうコトバが少なくありません。「人が生まれつき才能と情熱を区別できたら、人生いかに楽か…。それはフーリガンと一流選手の違い――」…深いです。メキシコ人にとって、サッカーは人生そのものなのでしょう。ヨコハマ・フットボール映画祭
- favorite0 visibility138
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件