『ドミンゴ物語ってほどのもんじゃない』第9回「少年野球」

そして野球のことを何も知らないまま野球部に入った。
一塁、二塁、三塁くらいは知ってたが
ファースト、セカンド、サードと呼ぶことを知らなかった。
ましてやショートてなんだよ!?
って状態。

運がよかったのか悪かったのか
うちの小学校の野球部は地元の強豪チームだった。

少年野球は
市内大会→県内の地区大会→県大会→関東大会→全国大会
と全国までは長い道のりがある。

県大会に出場できるだけでもなかなかの強さだが、
入部した年に全国大会ベスト8まで進むほど強かった。

私が6年の時でも千葉県大会で終わる大会だったがベスト4まで進んだ。

後にプロ野球選手になった同級生もいる。

違う学校からも2人
合計3人も同じ地域からプロに入る豊作の学年だった。

そんな環境だったものだから
練習は厳しく
入部初日にあまりの厳しさで辞めたくなった。
怖くて泣き出してしまうほどだった。

練習用ユニフォームも買ってもらっちゃったし、
とりあえず一カ月だけ頑張ろう
そう思って毎日帰り道を泣きながら帰る日々を過ごす。

小学校が終わるのが午後3時くらいで
練習が終わるのが午後7時くらい。
簡易的な照明もあったので日没後も練習が続いた。

ちょうどその頃にテレビで放映していた
シティーハンター。
家に着くと姉が観ていて
玄関をあけるとちょうどエンディングのGet Wildが耳に入ってくる。
Get Wildを聞くと今でもあの頃の憂鬱な気持ちが蘇る。

それでも一カ月も続けていると慣れるもので
厳しい中にも楽しさを感じるようになり
辞めようという気持ちは薄れていった。

つづく

sell草野球

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