今やかの三つのベースに人満ちて

  • フジ
    2010年07月26日 20:03 visibility1555

7月25日。心配された雨も降ることなく、我がteam styleの今年二度目の試合が行われた。
16時20分、新小岩駅北口広場にメンバーが集合する。半年ぶりの試合に、みな期待感を隠せない。今回新たに参加してくださった方々も、フレンドリーな感じで良い雰囲気である。人は集まった。あとは試合をするだけだ!

今やかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸の打ち騒ぐかな (正岡子規)

野球をするという高揚感は、明治の頃と全く変わらないだろう。その気持ちを抱いて、いざプレイボール。

今回の対戦相手は、私が助っ人に言っているチーム。お互い手の内を知り尽くしているため、普段は先発を務めている私だが、裏をかくことにした(この作戦が、悲劇を招こうとは思いも寄らなかったが…)。

我がチームの先攻で始まる。

立ち上がり、我らが打線はふるわず0点。
その裏、新人の方を先発をまかせる。コントロール良く投げるが、相手チームの足を絡めた攻めで2点を奪い取られる。

2回。我がチームも負けじと反撃。2点を奪い返す。その裏、相手チームは0点。

我がチームにとって、近年まれに見る野球らしい試合で、皆の気持ちも盛り上がる。

試合が動いたのは3回。相手チームの投手の疲れを逃さず、四球、ヒットなどで満塁。そこでサードランナーが足を負傷。代走で私が出る得点のチャンスを、虎視眈々と構え、バッターが内野ゴロを打った瞬間に猛ダッシュ。見るのはホームベースのみ! 足が早いかボールが早いか! ベースを踏んで離れた瞬間、ミットが足をタッチした。 セーフ! 逆転!

その後、たたみかけるように攻撃。ここ数年勝ちに飢えていた打棒が一挙に爆発。7点をもぎ取る。

その裏、投手を小刻みに変えのらりくらりと相手打線を2点に抑える。

勝利は目前。誰もがそう思い、最終回。ここで私が登板する。ここから、奈落の底に落ちるまで時間はかからなかった。最初のバッターを追い込んだと思ったら、ポテンヒットで出塁される。次のバッターに死球を与えて雲行きが怪しくなる。その後ストライクが入らず、押し出しを連発。一人を三振には打ち取ったものの、投げても投げてもボールが続く…。
結局、同点になったところで、自ら降板。あとに託すが、内野ゴロで投捕でのもたつきの間に1点を取られゲームセット。かくて、数年ぶりの勝利は、幻と化してしまった。

ノーヒットノーランを3度も達成した名投手沢村栄治も、選手時代の晩年、ボール、ボールとストライクが入らず、試合を壊してしまったことがあったという。そのときの無念はいかばかりか、迷投手である私でも痛いほどよく分かった。これをバネに、次に活かそうと思う。

このようなふがいないピッチングであったが、メンバーの方々の優しさに救われた。勝っても負けても、メンバーの笑顔に包まれて野球をしていきたい。

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