若いメンバーの気持ちが見えたダブルヘッダー
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虎男
2017年05月05日 13:15 visibility187
ダブルヘッダーの第一試合は接戦だった。しかも7回を終わって2-2の同点。自軍のベンチも緊張感でみなぎっている。そして相手チームの代表者さんが、私に近寄ってきて「どうでしょう。7回引き分けで、第二試合に行くのも良いですが、あまりにもリズムが良く、一時間と5分で7回終了してしまいました。時間枠としては4時間あってダブルヘッダーを予定してましたが、1時間あれば延長を5時前までやるということでどうでしょう。」私は、すぐに「了解しました。延長でいきましょう」と答え、自軍のベンチへ戻り、延長戦を午後5時までやり、その後は第二試合を開始する旨を伝えた。
試合は8回に勝負がついた。相手チームさんの打線が急に活気づき、3点を取られてしまった。昔から自分のチームを13年も見てきた自分は、心の中で「この裏の打線がどういう感じになるかで、今後の試合にも少なからず戦い方、気持ちの持ち方の傾向性がでてくるかもしれない。」とつぶやいた。なぜなら、こういう延長の回で、先に点をリードされてしまったと思うのか、それとも「なにくそ、ひっくり返してやる」と言う気持ちが出るのかで大きく今後の試合に違いが出てくる。最近の日記でも書いたが、うちのチームは「新生チーム」である。大半のチームメンバーが入れ替わり、現在の主力は昨年入った6人と今年入った2人である。彼らはメンタル的にも昔のメンバーとどう違うのか。こういう場面が一番、監督として把握しやすい場面であることは間違いない。もちろん、結果に対して私が言及することはない。うちのチームは「楽しみ追求型」のチームだからだ。しかし、チームメンバーが真剣に野球に対して頑張っている以上、試合の時は真剣だ。それが監督の試合での姿勢であり、自軍の選手に対する礼儀であもる。
3点のビハインドで、延長8回の裏。二死ながら、性格の良いK君が打席に入った。今シーズンに長打がまだ出ていない。だが、相手投手に食らいついた。打球は右中間をものすごい勢いで抜けて行った。興奮で大声でK君への声援がベンチから怒涛のごとく湧き出す。「抜けた!抜けた!抜けたー!回れ!回れ!回れー!」もう、自分たちの年齢が40代や30代後半なんてことは関係がない。K君の走る姿に自分たちの想いが届けとばかりに無我夢中で声を出している。K君の2点を還す大三塁打であった。ここで流れが来るかと思ったが、野球の女神はそう簡単には微笑まず、次打者の凡退で万事休す。しかし、この8回裏の粘りで、チームが育ってきている確信が持てたことは大きい。しかも、新生チームとなって船出して今シーズン4試合目で、この「食らいつき」にK君の気持ちの乗った三塁打には賞賛の言葉以外にない。素晴らしい!
第二試合では、予定していた先発投手のU君が第一試合のサードの守備で太ももに違和感を訴えてきた。急きょベンチへ下げてスコアをつけてもらうように指示をした。さて、そうなると投手がいない。前の試合先発投手をさせた私の職場の後輩は8回を投げていて、かなり疲労している。それに彼は次の試合は捕手と指定している。出席メンバーを見渡したところ、最近入ったばかりのM君が「投手ができます」と言う内容のメールだったことを思い出した。「M君、急きょ先発投手のU君の太腿に違和感があって、投球ができないので、ここはM君に投手をお願いしたいんだ。誰も他に投手経験が無いんで行ってくれるか。」「わかりました。やらせてもらいます。」とマウンドへ行ってくれたM君。彼にも大感謝である。試合は、心の準備ができていないて先発マウンドにあがらされたことで初回に点を取られたのだが、二回からM君は本領を発揮しはじめる。四球を出したあとにセカンドフライゲッツーを取ってからは、4回までの3イニング0で抑え、5回に上位打線と二巡目になったところで3点をとられるが、初登板としては、ボールが荒れることなくコントロールも悪くないので、勝ち星をつけたら、自信を持って投げるタイプに感じた。しかも初先発のマウンドで、チームにまだ慣れていないと言うのを入れたら素晴らしいピッチングだった。M君にも感謝である。素晴らしい!
草野球の素晴らしさは、こういう「気持ち」がプレーヤーから感じ取れることだろう。しかも、自分たちの手作りの野球であるから、余計にそれは感じる。上手下手なんて、低次元の話ではなく「気持ちの入ったプレー」には誰しもが惹きつけられてしまうのだ。それを知っている、知らないの人生は大きく違う。スポーツの素晴らしさはそこにあると私は思っている。
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