コンプレックス丸出し

東京ヤクルト対阪神の試合を神宮球場に昨夜見に行った。試合は阪神のサヨナラ負け。私は、試合についてはあまり勝敗にこだわらない。悔しがったところで、負けがひっくり返るわけじゃあないからだ。それよりも、先について考えたい人なので、負けは分析しても、悔しがることは無い。悔しがって物に当たるような人もいるらしいが、そんなことをしても現実は戻ってこない。日本が第二次大戦に負けたのを「あれは勝利だった」と吠えた人がいたって、誰も相手にしてくれないだろう。それと同じだ。

だが、試合中に聞こえてくる阪神ファンの「くたばれ読売」のあのくだらない大合唱には辟易を通り越して、良くあれを子供の観客がいる前で平気で歌えるなと思うのだが、恥ずかしくないのだろうか？言葉の意味を知っていて歌っているのだろうが、笑顔で大声で歌っている阪神ファンのあの「神経」には驚かされる。「くたばれ」と言う言葉を平気で使えるのであれば、年老いた自分の親が植物人間になったとして「ああ、入院費、医療費、金ばかり出て行くよ。早くくたばって欲しいな」って言うのだろうか。憎い人間に使うのはわかるが、巨人と言うチームに対して、それほど敵対心と言うか、憎悪を持っていることの証をわざわざ神宮の対ヤクルト戦でも平気で歌う「その底辺過ぎる言葉」を楽しそうに大声でやるその神経。親がそれじゃあ、子供も同じという光景を阪神の試合を球場観戦するたびに「くたばれ読売」が合言葉のごとく、阪神ファンは平気で歌っているのだ。まさしく「巨人コンプレックス」の賜物である。

私は阪神ファンのプライドがあるので、絶対これに迎合しない。他人がやっていれば、良しも悪しきも判断せずに「相乗り」するバカが世の中にはたくさんいる。悪ふざけが大好きな馬鹿どもだ。こう言う味噌も糞も一緒な人間たちを見ていると、このまま人生を歩んでいくのだろうなと心の中で、彼らを憐れむ気持ちでいっぱいになる。同じ阪神ファンであることが恥ずかしくなる。しかも、球場には子供の野球ファンが沢山来ているのに、その子供たちの目の前で「くたばれ」と言う言葉の大合唱。もし、自分の息子や娘が人様に対して「くたばれ」と言ったとしよう。あなたは親として、それを肯定できるのであろうか？私なら顔を平手で張るだろう。そして、言った人に対して心を尽くして謝りなさい。なんて汚い、配慮の無い言葉を吐いたのかを知らせるために、激怒するだろう。それほど「くたばれ」なんて言う言葉は使ってはいけない言葉だと思っているからだ。

読売コンプレックスの塊が、この「くたばれ読売」の大合唱に表されている。いつまでたっても「読売ばかり意識」しているのは、阪神タイガースではなくてタイガースのファンである。タイガースのファンは巨人は永遠のライバルだと思っているのだろうが、巨人のおひざ元の東京に住んでいる私は東京で巨人ファンが「ライバル球団」として考えているのは広島とヤクルトくらいだ。日本一の回数がそれを物語っている。阪神は日本一はたったの1回、1985年に達成して以来、その後32年もやってない。横浜ですら二度やっているのだ。巨人ファンが阪神をライバルとは思わないのは、巨人のセントラルにおける優勝回数と日本一の回数が圧倒的であって、タイガースとは比較にならないからで、コンプレックスを持つ必要もないってことだろう。しかし、阪神ファンのこの「くたばれ読売」は、どこまで行っても「巨人憎し」を自分たちは持っていると、球場で、子供の前だろうがなんだろうが構わずにやって、笑いながら歌っている。その姿を一度見て見るが良い。大人とは思えないほどの醜さが丸出しになっている。阪神のファンが自分たちのチームにプライドがあるのであれば、よそのチームを馬鹿にし蔑むような言葉を使った歌は「みっともない」と気付くだろう。しかし、もう10年以上、こんな馬鹿げた歌を球場で聞かされていることに辟易している阪神ファンもたくさんいるはずだ。みっともないし、限りなく読売コンプレックスを自分たちで晒しているのがわからないのは嘆かわしい。こどもがそのうち、その歌の意味を聞いてきたときに「自分の両親は馬鹿なんだな」と思われる日がきっと来る。その時に修正しようとしても遅すぎる。あの歌は「私はいつも読売を気にしてます」って意味にもとれることを知っておくべきだろう。可哀相な人たちへ。