草野球チームを野球だけの組織だと思っている人たちへ

  • 虎男
    2017年10月08日 08:08 visibility1632

草野球チームを作って13年目のシーズンが終わろうとしている。13年と言う時間を他の人たちはどう思うのかはわからないが、それだけの時間が経過すると、草野球チームの中にいるメンバー達の生活も変化しているのが見えたりする。中には結婚したり、離婚があったり、そして子供が新しく生まれ、やれ小学校入学だ、中学へあがっただの、色々なことがダッグアウト内のトピックになる。そして、今回はチームメンバーの一人が、自分の店を持って、近日開店をする前の「レセプション(開店前の練習会)」に招待された。私の職場がはねてから行ったので、午後7時40分くらいに彼の新開店の店に到着した。

 

振り返れば、私の人生でこのチームを作って運営していることは、運命的な事だったと言える。皆が「すごいですね。10年以上も一人で運営し、裏方の仕事も完璧にこなしてきて、しかもチームは不遇の時代も乗り越えて、今年は完全復活している。」と言われるが、私の英国から帰国しての1年間、この広くて人口が超密集している大都会東京で「誰一人、話をする人がいなかった。」ことを考えれば隔世の感がある。もちろん、英国滞在3年間に日本への友人、知人に連絡を一度もすることがなかった自業自得な結果ではあったが、それ以後、私は私なりに努力をし、仕事を得、サークルなどの組織に参加し、だんだんと日本社会に戻り、そして友人を作って行った。草野球チームに入りたいなと思った時には44歳と言う年齢に達していたのは、もしかしたら「運命」だったのだろう。他人様をあてにせず、自分で野球チームを作れば「入部するのに頭をさげることはない。しかし、それ以上に苦労を背負うのを覚悟せよ」と言う戒めを自分にしたからの今があるのかもしれない。

 

13年間のチーム運営をする上で「野球」と言う極上のネタの周りには、多くの知り合いが集まってきてくれる。自分のチームのメンバー達、そして、対戦相手チームさんの中の数名がコミュニケーションを取ってくださる。また、そこから派生する人間関係。ありがたいことだ。だからこそ、私は多くの人たちに言う。「友人を作るのも努力であり、その友人たちと一緒に活動をし、友好を深めるのはさらなる努力だ。」と。そして、その友人の店を持つことへの祝える立場。これには感謝しかない。おめでとう。良くここまで頑張った。これからは、さらなる頑張りが必要だ。だが、お店と言うのは「ファン」が必要だ。そのファンを増やしていくこと。ファンを逃がさない事。既存のファンが、新たなる興味を持ってくれるためには野球と同様、基本を大事にし、そして工夫を重ねて行かなければ彼らの頭を店に振り向かせることは難しい。固定客を大事にし、そして新規のお客を固定客に一人でも多く変えて行く。この厳しさは、やったものでなければわからないだろう。ビジネスは遊びじゃあない。草野球チームの運営だって同じだ。一生懸命やっているチームには必ず、対戦相手チームさんから、お声がかかってくる。それにはユニフォームをチームメンバー全員に急いで作ってやること。仕事が忙しいとか、家庭での仕事があるとか言い訳はいらない。それがユニフォームを着てチームの中に浸透したいと思っている新しいメンバーの気持ちに応えてない言い訳であることを知るべきだ。チームが一生懸命やっているとなれば、メンバーは試合に来る。そして、一生懸命やっているリーダーがいれば、必ずそれに対して感謝してくれる人間が出てくる。店はそれと一緒だ。

 

レセプションは楽しかった。我々のチームメイトも招待されていた。私の妻も一緒に呼ばれていたので、彼が厨房から、私ら3人はカウンターで話をした。チームを作って13年。店主である彼が脱サラしたのが14年前。ついに彼の念願の店ができた。それを祝える幸せ。今後も、多くの人たちに愛されて欲しい店である。残念ながら、酒を断った私にとってウーロン茶だけでの乾杯は味気ないのだが、それよりもこうして「祝える場所」にご招待いただけることは、最大級の感謝を持たせてもらえる機会なのである。

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