ルールとは言え、広島の2017年のシーズンの不憫さ
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虎男
2017年10月25日 07:24 visibility349
クライマックスseriesファイナルステージでDeNaが広島の2017年に引導を渡した。DeNaファンの人たちにとっては、痛快と言うか、最高の喜びなのだろう。おめでとう。ベイスターズは日本シリーズへ行く。あなたたちの2017年はまだまだ続く。そして楽しんできて欲しい。ベイスターズファンには楽しむ権利があるのだから。
しかし、楽天が相手として日本シリーズに出ていたら皆、どういう気持ちで日本シリーズを迎えたのだろう。3位同士の対決。それを手放しで喜んだのだろうか?断言はできないが、1位でシーズンを終了したことを「優勝」と名付けることが空しくなっていたはずだ。もちろん、どこまでも勝たなければ優勝は無い。しかし、こんなチーム数の少ないリーグで、こんなやり方をしていたら、そのうちにコアな野球ファンは見限るかもしれない。広島は、この10月が一番調子の波の底であって、DeNaは阪神を打ち破って来た勢いに乗り、打線も投手も調子の上がっていた時なのかもしれない。だが、広島ファンの落胆は、手に取るようにわかる。私のように半世紀を超えた阪神ファンなら、1973年のシーズン最終試合の本拠地甲子園での巨人戦に「どちらのチームが勝っても優勝」と言う一戦で、9-0と言う「放棄試合と同じ点差」で負けたのだ。この時の落胆した気持ちと今の広島ファンの「やりきれない気持ち」は同じくらいの落ち込みではないだろうか。いや、もしかしたらシーズン優勝を遂げた後に日本シリーズへ行かれなかったことの方が、あと一勝の最終試合で負けた事より「理不尽」に感じるかもしれない。
CSは下位チームに「下剋上のチャンス」と言う人たちが沢山いる。シーズンの成績が悪くても「年度の最終目標は日本一」なのであれば、その日本一の価値を他の過去の日本チャンピオンチームたちと比較したら、どれだけ差があるのか。もし、これから数年、下剋上してきたチームばかりが日本一になったら、シーズン中に手抜きをするような試合が多々作れることにもつながってくる。勝率5割を守っていれば3位は圏内だと計算するチームが出てきて、ぎりぎりCSに進出なんてことが可能になり、そこからエンジンがかかるなんてことだってありえるわけで、前半寝ていた亀が、後半になって全力疾走するなんてことだって無いとも言えない。シーズンで優勝って、どれだけの価値があるのか?結局はCSに負ければ、上のステージには行けないシステムを喜んでいて良いのだろうか。広島のファンの気持ちが痛いほどわかる。
CSはおそらく今後も無くならないのだろう。儲け主義に走ったプロ野球の各チームが、これほど「二度美味しいい」と言えるシリーズを、ファンごときに反対されたくらいで手放すわけがない。起業は利潤追求が当たり前であり、それが企業努力だとのたまうからで、そこにはファンの気持ちなど汲み取るお人よしさは全くない。3年でモデルチェンジする各球団のユニフォーム。サッカーチームから取り入れたアイデアなのだろうが、そのうち貧乏なファンは置いてけぼりになるのは明らかだ。ユニフォームを変更すれば、レプリカを作る、プロモデルを作るで、どんどん商売へ商売へと流れわ動いて行く。それに踊らされる善良なファンたち。ファンの財布にも限界があり、そしてプロ野球が永遠に人気があるわけじゃあないのだ。CSが続く限り、シーズンのゲームは価値を下げ続けるだろう。3位チームが3年連続で日本一になることを望むばかりだ。
- 事務局に通報しました。
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