会えずに旅だった人へ。

  • 虎男
    2019年01月18日 21:57 visibility413

このブログを書き続けて10年以上になる。ここのページで出会った人たちは何名いるのだろうか。しかし、本当にその人たちの中に私と心を通わせてくれたと言える人たちが何人いたのだろう。私には、それをジャッジできない。私がここで知り合った人の中でフェイスブックも一緒に友人になっていた人は、ある一人の方である。名前は書かない。私とは9歳の年齢差があった。そして、一度も顔を見ることなく、その人は旅だって行った。真夏のど真ん中の日に。「人の心配ばかりしていた。」と周りの人たちのフェイスブックの文章でわかった。一度だけ、東京へ来るから、この電話番号に電話して欲しいと言われてかけたのだが、東京に友達が沢山いたから、私のように会ったことも無い人間に時間を割けなかったのは無理もない。だが、その時から癌細胞が身体を蝕んでいたのだろう。

 

本当にびっくりした。フェイスブックでその人のページをろくに見もせずに、誕生日おめでとうのメッセージを入れた。そして、私のフェイスブックへの投稿も本当に音さたなく、不思議に思って、先週末にその人のページへ飛んでみた。なんと、私の書き込みが最後の書き込みだったのだ。そして、それが10月の上旬のとある日。私は愕然とした。もちろん、その人が癌と言う病気の手術をしていたことは知っていた。そして最初の手術が成功したことも知らされたし、かなり元気な笑顔の写真も見ることができた。それなのに。命の尊さをこんな形で伝えられるなんて、自分でも思っても見なかった。

 

あの時、あの人が東京へ来た時に5分でも良いから会って、ジャイアンツグッズを手渡してあげていたら良かった。大のジャイアンツファンで、私と東京ドームでの巨神戦を観戦したいと何度もメールに書いてきてくれたのに。私は「また何度も東京に来るのだろうから、今回は来れなくても、次回もあるさ。」などと楽観していたのだ。愚か者である。私は、本当に愚か者だ。あの人はもう、会えない遠い世界へ旅立ってしまったのだ。誰にこのやるせない、やりきれない気持ちをぶつけたらよいのだろう。悲しい。わたしよりも9歳も若い、これからの人が病魔に蝕まれて、望みもしない形で旅だたされてしまったこの「無情」に。

 

人生は思っているよりも短い。生きているうちにやりたいことをやるべきだろう。それが失敗したとてかまわないじゃあないか。一生懸命生きる姿を見せてくれたあの人。心よりご冥福をお祈りいたします。

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