妻の癌
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虎男
2020年01月26日 09:42 visibility560
思いもよらなかった「宣告」を受けた。妻の癌である。ステージ1Aと言う初期のものであるが、皮膚癌が彼女の
脛あたりにできたという事で、本人よりも私がうろたえてしまっていた。もちろん、全力で防がなければならない。野球で言ったら守備のベストメンバーをかき集めてノーアウト満塁を、三振奪取がとれる剛速球投手で相手のクリーンアップを打たせないという「背水の陣」で臨むしかない。2度に渡る肉の切り取り。0・5ミリの切り取りを2度行うために15日間の入院。家族である私は、ストレスのたまる日々だった。本人は、術後の入院が退屈だったらしく、かなり「楽しくない」を連発していた。
退院がかない、今は脚を引きずりながらも元気に仕事にでかけているが、傍で見ている私は「転ばなあいだろうか。電車で人にぶつからないだろうか。」などと否定的な考えばかりが浮かんでは消え、なかなか気持ちの安泰が無い。しかし、それもまた人生なのである。5年後に再発しなければという医師の話で朗報だったのは、「今まで5年間で70人の同じ癌の患者の手術の執刀をしてきましたが、術後誰一人再発した患者はいままでいませんよ。」
と言われたこと。
この時感じたのは、人間の命なんて「明日はわからない」そして「明日は我が身」なのだ。好きな野球をやれることの「贅沢さ」を今になってさらに思う。簡単に「明日の活動に欠席します」って言う人たちもたくさんいる。しかも、言葉は「あたかも仕事で忙しいから、欠席です。」と言う。だが、実際は「かったるいから。それに俺が行かなくたって他の人もいるんだろうし、次回出れば良いや。」と言う人間も中にはいるのだろう。私は、そういう人間を面と向かって咎めない。しかし、そういう人たちにも「命の限界」は必ず訪れる。そして、その訪れた時に「ああ、あの休んだ時に、行っておけばよかった。あの日天気も良くて、きっと他のメンバーは野球を楽しめたんだろうな。あの1試合を休んだ後悔は二度と戻ってこない。馬鹿な選択をしたものだ。」と思いたくない自分がいる。私は、そんな思いをしたくない。真面目に15年間、草野球チームの管理運営をやってきた。そして、いつ辞めても悔いはない。むしろ、ここ3年全日程「皆勤賞」続行中であり、自分の記録を伸ばしたいと思っている。妻も私の管理運営継続を心から望んでいるし、チームを応援してくれている。今後、課題は山ほどあるが、運営は継続していく。明日は我が身を胸に。
- 事務局に通報しました。
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