高校選手権佐賀大会２回戦

今日は佐賀大会を見に佐賀商業高校に行ってきました。

第１試合は小城高校と佐賀商業の対戦です。

いつもは組み合わせ表を見て、交通の便がよいとか試合数が多いとかで見に行く場所を決めている自分ですが、今日は絶対この試合を見たいと思い、車を走らせました。

その理由は３年前、はじめて自分が冬の選手権佐賀大会を見に行った時の準々決勝のカードがこの組み合わせでした。その試合が壮絶で後半２０分すぎまで小城が２−０で勝っていて、「これは番狂わせか」と思わせたのですが、最後の１０分ぐらいで佐賀商業が怒涛の反撃で４点を奪い逆転をしたという試合でした。

以来、この両チームの試合は見ていなかったので、今日はいい機会と思ったわけです。

今年も佐賀商業は総体予選はベスト４、トーナメント表でも佐賀東・佐賀北・佐賀学園と並んでシードの位置にいます。

一方の小城高校は進学校。総体予選は３回戦敗退でここで多くの３年生は受験勉強のため引退、わずかな３年生と１・２年生中心チームで今日の試合に挑みます。

試合は佐賀商業が前半から攻めつつも、小城高校はディフェンシブな布陣で、中央に選手を多く配置。ボールを奪いに行くところがイレブンの中で明確になっており、佐賀商業はサイドで２０番・２１番の選手が比較的自由にボールを持ちプレーするが、中にボールを持ち込むと小城の選手次々とプレスをかけ、佐賀商業の攻撃を跳ね返していきます。

前半はこの小城高の戦術がはまって０−０で折り返すと思われていた前半終了間際、佐賀商は右ＣＫからＦＷがヘディングで合わせてゴール。均衡を破ります。このまま前半は１−０で終了します。

そして、後半開始早々佐賀商業は８番の選手が右サイドを突破、ゴールライン近くからマイナスのクロスに２１番の選手が走り込みゴールを決めて２−０とし、安全圏に入ります。

後半に入ると、佐賀商は右サイドを中心に奥深くまで攻め込みます。小城は運動量や体格の差からＤＦが１対１で止めることができなくなり、センターバックやボランチがサイドに誘い出され、手薄になった中央にトップや逆サイドの選手が走り込み、後半１６分に７番・１８分に９番・２３分に６番が続けざまにゴールを決めました。

小城高校は主力が２年生のため、後半は運動量が落ちてしまい、佐賀商業のあつい攻撃陣を止めることができませんでした。

また、続けざまに失点すると、平静さを失いボールをほとんどつなげなくなってしまいました。この辺が３年中心の佐賀商業との差なのでしょう。

監督の先生は大きなポーズでサイドに開いてボールをもらうよう指示を出していましたが、なかなか実行できないまま試合が終了してしまいました。

これから、来春の総体予選に向けて、２年生は試合経験を積んでいくのでしょう。そのような意味では新チーム結成直後に強豪チームと戦えたのは良かった、といえるようこれからの冬の練習に頑張って下さい。

試合終了後、この大会のために残った３年生部員が応援に来ていた同級生の元チームメートに言っていた一言が印象的でした。

『もう受験から逃げられん！』

ここまででも、勉強とサッカーを両立してきたのでしょう。

１０月といえばもうセンター試験への出願をする時期です（今年は１４日まで）。彼もこれから数ヶ月はサッカーをするのを我慢して受験勉強に専念するのでしょう。でも、ここまで遊ばずにサッカーをしてきた経験は受験にも必ずプラスに働くはずです。体力・精神力の充実した体育会系生徒はこれまであまり学習して来なかった分、少し真面目にすると一気に成績が向上していきます。つまり、「追い込みが利くタイプ」です。ぜひ、来春には大学生としてどこかの学校で何らかの形でまたサッカーボールが蹴られるよう勉強にも頑張って下さい。

ちなみに、試合終了のミーティング後、今日の試合に出た３年生２人が後輩から胴上げされていました。いい後輩を持って幸せ者ですね。試合には負けたけど、いい思い出になったことでしょう。

今年は試合は少し一方的になってしまいましたが、やはりいいシーンを見せてもらった一戦でした。

※学校紹介

小城高校（小城市）

1899年佐賀一中の分校として開校、1948年から現校名。通称を「黄城（おうじょう）」とよぶ伝統校で、ユニフォームの左胸にも「黄城」と書かれていた。野球部も2007年春の選抜に出場するなど、文武両道を実現している。

佐賀商業高校（佐賀市）

1907年に開校。商業・情報処理・国際経済の３科がある。1994年に野球部が夏の甲子園で全国制覇を果たす。サッカー部もＪリーガーを多数輩出するなど長年佐賀県を引っ張ってきた。

※佐賀の高校マメ知識

佐賀の伝統校にはいまだに通称を使用している学校があり、小城高校以外にも「佐賀西＝栄城」・「唐津東＝鶴城」・「鹿島＝鹿城」などがあり、小城高校同様ユニフォームやパーカーになどに通称が記されていることも多い。