「個の力」と日本代表


連休も終わり、また明日から1週間頑張りましょう!!

週末は、息子の要望で「城巡り」してきました。熊本の鞠智(菊池)城に熊本城、大分の中津城、福岡(北九州市)の小倉城。日本の歴史に触れ、日本人の心を取り戻してきました(笑)


話は変わりますが、2015年締めくくりの試合である、W杯アジア2次予選、対カンボジア戦をご覧になった方も多いと思います。どんな感想を持たれたでしょうか。


以前より、選手の口から「個の力」という言葉が出ています。

ここでいう「個の力」とは、選手1人1人の「スキル」を指しているのだと思います。代表で存在感を示している本田選手も、自チームでは出場機会に乏しく、代表で見せるパフォーマンスは発揮できていません。


ここまでで、1つの錯覚が生まれます。例えば的な話で本田選手を出しましたが、「代表で存在感を発揮している・・・」のは、格下の相手であり現在のようなアジア予選などアジアレベルでの話です。昨年のW杯は存在感を示せず、2010年では得点は取りましたが、それ程の存在感はありませんでした。

本田選手に限らず、長友選手や香川選手、それ以外にも欧州で数年の経験を積んでいる選手が多くなった日本代表ですが、それでもまだ「個の力」という言葉が出てくるのはなぜでしょうか?


選手生命を考えると、海外経験を10年積んで個の力を上げる等と悠長な事は言っていられません。どれだけ短時間でそれを自国へ還元できるか。Jリーグやアジア各国のリーグを軽視しているわけではありませんが、やはり世界のトップリーグでの経験は大きなものだと思います。


現在日本代表で、海外主要リーグでレギュラーとして活躍している選手はいません。

この現状を日本サッカー界がどう捉えるかです。試合に出られなくても「経験」は積めると思うか、そうでないか。私は後者です。

見る経験も大事な事は分かりますが、やはり試合に出て自分の力をチームへ注ぎ得た経験の方が、より一層身体で「経験」を積めると思います。


私達は、代表選手の「個の力」というアプローチをこれまで見守ってきたと思います。

確かに、可能性を感じるゲームも数多く見てきました。しかしそれは親善試合ばかりです。

アジアという地域を考えると、欧州や南米の強豪国と真剣勝負する場はありません。だからこそクラブレベルでの「世界基準」を知る必要があると思います。


ビッグクラブのビジネスのための犠牲になるのではなく、中堅クラブでもヨーロッパリーグやチャンピオンズリーグに出場し、世界の選手たちと真剣勝負することで、本当の「個の力」が磨かれると思います。日本の若手選手もこれからどんどん海外へ進出していくと思います。その時に大事になるのが、「選手」としてオファーされたのか、「広告塔」としてオファーされたのかをしっかり判断する事だと思います。


アジアの中でヨーロッパの主要リーグクラブに所属している選手は、日本が多いと思います。それでもなぜアジアで勝てないのか?結果が伴わない時になぜいつも「個の力」を問題視するのか?現状「個の力」でアジア各国を一蹴できないのに、今後そんな時がくるんだろうか?

果たして日本人選手に潜在している個の力は、そんなに期待するほど大きなものなんだろうか?

考えれば考えるほど、疑問に思います。


日本人としての長所は何か?

日本人の運動能力を最大限に発揮する戦術は何か?

日本人として世界に及ばない部分をどんな方法で克服するか?

アジアという地域性を考慮して、どのようにチームを強化するか?


これらを明確にするのはサッカー協会の仕事です。

日本は、欧州でもなければ南米でもありません。アジアです。まずアジアを制しなければ世界へ行けません。アジアの中での日本と世界の中の日本の立場は違っても、サッカースタイルを変えることはナンセンスです。日本のサッカーとは?というスタイルを築く事が、選手にとってもチーム選びに大事になるのではないでしょうか?


現在、選手達が口を揃えて言う「個の力」が、日本代表を強くする日は来ないと思います。

日本人の能力を過小評価しているのではなく、他の民族との違いをしっかり理解する事が大事だと言う事です。それは体格や運動能力だけでなく、民族の歴史や経験も踏まえてです。


私は、ビッグクラブで控えに回りチャンピオンズリーグで優勝するより、中堅クラブでレギュラーとして出場し、ビッグクラブと肌を合わし、そんな経験を持った選手達が、日本のサッカースタイルで世界と闘うためにどのように「集団の力」を結集させるかが本来の姿ではないかと思います。


「個の力」に無限の可能性はありません。その人の能力に頼るとこるが大きいと思います。

だから私は、「個の力」と「集団の力」の相乗効果で得る力の方が、日本には向いているのではないかと考えます。試合の流れによって自滅する強豪国にはない、「個の力」を「集団の力」に変えることのできる日本人特有の「性能」を最大限に発揮できる日本サッカーを、早く確立して欲しいと思います。


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