Ｊリーグ　地域に根ざしたクラブって？

「地域に根ざしたクラブチーム」

日本では地域と言うと、「オラが村」的な小さな括りになるんでしょうか？

その括りを否定するつもりはありません。実際、乾選手が所属しているエイバルも　人口３万程度の小さな町クラブで、リーガに参戦しています。

私の住んでいる町も人口４万弱なんで、この町にＪクラブがあるような感じですね。

現在日本でもクラブチームが増え、小、中、高校とクラブチームでサッカーを愉しむ子供達も増えています。ただ、まだ現状では学校体育の延長である部活でサッカーを愉しむ子供の方が多い事は事実です。

このような事が背景にあるか否か分りませんが、例えば九州出身の選手が、自分の生まれ育った地域以外のチームを望んで、そこで活躍のビジョンを立てる事は珍しくありません。

それは、九州だけに限らず、「地方」と言われる地域では同じではないでしょうか。

３年前のデーターですが、九州・沖縄地方出身のＪリーガーは、２０９人。

都道府県別に見ると、福岡、鹿児島、次いで熊本の順になります。

勿体無いですよね・・・。九州からはいい選手が多く排出されています。しかしながらＪ最高位のＪ１にはアビスパ福岡しかなく、しかもその福岡も現在最下位。

九州全てのチームがＪ１に入る事は難しいと思います。Ｊ１～Ｊ３まで、またアマチュアリーグのＪＦＬや地域リーグをＪ４、Ｊ５と考えると、このピラミッド自体がまだまだ機能していないが故に、全てのクラブチームが「目指せＪ１」と凌ぎを削ってばかりなのではないでしょうか。

確かに高い目標を掲げる事は大事な事です。ただチームのビジョンとして、最高位のリーグに所属する事だけしかない事が、ちょっとどうなのかなと・・・。

海外クラブでは「いい選手を育てて売る」事をビジョンに掲げているクラブもあります。

その選手たちは、地元出身選手が多く含まれ、そしてその地元出身選手が他地域のビッグクラブで活躍する事を応援する、そんな考え方もあります。

まだまだサッカー自体、地域に根ざしているとは言い難い現状で、そんなクラブビジョンを地域の人達と共有できるレベルになっていない事も分っています。もっともっと時間が必要で、その時間が数年単位ではなく数十年単位である事も承知しています。

ただ、今のそして今までのような「ブランド志向」的な考えでは、いつまで経っても本当に地域に根ざした「オラが村クラブ」は育たないような気がします。

先にも書いたとおり、九州はいい選手を輩出しています。

それは、高校の部活による所が大きい事は事実です。福岡は東福岡高校や東海第五、九州国際大付属、筑陽など。鹿児島は鹿児島実業や鹿児島城西、神村学園など。

こういった高校とＪユースは、実質まだライバルの域を超えていない気がします。

高校もいい選手がＪの強豪クラブで活躍するとアピールポイントになりますし、そのチームを率いている監督も同様です。

もし、私が考える「オラが村クラブ」構想を実現しようと思うと、高校サッカー部側が大きく歩み寄る必要があることも分ります。今のＪクラブと高校の立場では「提携」程度の関わりしか持てないかも知れません。いい選手を育てＪクラブへ送り出しても、なかなか評価はしてもらえません。あの高校へ行けばオラが村のクラブへ行けると言うより、あの高校へ行けばＪトップクラブへ行けると言う方が聞こえもいいですし・・・。

まだまだ本当の意味で地域に根ざしたクラブチームは、九州には無いと思います。

それは、クラブフロントの考え方、高校サッカー関係者の考え方、また地域行政のサッカーに対する考え方など。またサッカーをプレーする子供の考え方、それを支える家族の考え方。

「僕はこの地域に育まれ、そして監督として地元に戻って指揮を執っている。そんなこの町のクラブが多くの人に愛されるチームとなるよう、高校サッカーと言う違う立ち位置からこのクラブの発展に貢献したい」と、コメントをくれる監督がいて、

「私はこの地域で青春時代サッカーに全力を注いだ。もちろんオラが村のチームで活躍を夢見て。それは叶わなかったけど、その選択は間違っていないと思う。だから私の子供にも、オラが村のチームを愛し、それを目標に頑張って欲しい」とコメントする親。

ボトムアップは、Ｊクラブだけの問題ではなく、その地域全体、サッカーに関係する組織全体、そしてそこに住む人達、そう言った全ての人達の意識が変わらない限りいい成果は見られないような気がします。それが現実になるには、今の日本的な考え方やアプローチでは、数十年どころか、数百年かかるかもしれません。。。

もし九州に１つ、九州出身者が集うＪクラブがあったなら。。。

面白いチームができる気がするんですがね（笑）