俺から見たパリ・サンジェルマン対バルセロナ

チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦、パリ・サンジェルマン対バルセロナです。

 

バルサは3－4－3（3－5－2というよりしっくりくる）でトップにデンベレ、2シャドーにメッシとグリーズマンを配置。両WBにデストとアルバを起用。ボランチは高い位置にペドリ、低い位置にブスケツ。CBの中央にデ・ヨング、右にミンゲサ、左にラングレで臨みました。

 

前半

開始からバルサの両WBが高い位置をとり、フロレンツィとクルザワを押し込みます。一方、パリ・サンジェルマンは4－4－2でカウンター狙いになります。

 

序盤はバルサがパスを回し、ボールを奪われても高い位置でプレスをかけてボールを回収。バルサが主導権を握ります。

 

8分、ゴール正面左からメッシのフリーキック。ニアの上を狙うも枠の上に外れます。

 

10分、左でアルバがＤＦの裏へフィード。中央から左ハーフスペースに流れたデンベレがトラップからシュート。力なく、ナバスがキャッチします。

 

12分、バルサのカウンター。自陣中央でグリーズマンがアルバとワン・ツーで抜け左のスペースへスルーパス。デンベレが抜け出しカットインからシュートも枠の上。

 

17分、バルサはショートコーナーからアルバがクロス。ミンゲサがヘディングシュートもＤＦがブロック。

 

17分、バルサの速攻。ペドリが左ハーフスペースのメッシにボールを入れます。メッシは息もつかせぬ動きで反転トラップから前方にスルーパス。中央から流れたデンベレが抜け出しシュート。ナバスがファインセーブ。

 

22分、パリの前からのプレスをかわしたバルサは、グリーズマンの落としからブスケツが右のデストに展開。デストはマークに来たクルザワを縦にかわしてニアの上にシュート。ナバスが触り、バーにはじかれます。

 

23分、ペドリがアンカーの位置から前線にフィード。左ハーフスペースにデンベレが抜け出しＤＦとＧＫの間にクロス。メッシが中央に走り込みますがわずかに届かず。

 

立て続けに3回ビッグチャンスを迎えたバルサですが、得点を奪うことができません。

 

25分、ムバッペのマークについていたミンゲサがイエローカードを受けます。ミンゲサのプレーに迷いが見られるようになりました。

 

29分、パリ・サンジェルマンは左からクロス。ファーサイドから中に入り込んだイカルディがラングレにかかとを踏まれ転倒。ＶＡＲも入り、ラングレにはイエローカードで、パリ・サンジェルマンはＰ．Ｋ．獲得。ムバッペがゴール左上に決めてパリ・サンジェルマンが1－0とリードします。

 

34分、中央でボールを受けたグリーズマンが左ハーフスペースにスルーパス。デンベレが抜け出しシュート。ナバスが正面でキャッチします。

 

35分、バルサはミンゲサに代えてジュニオールを投入。ムバッペ対策を継続します。

 

36分、中央でボールを受けたメッシが左に持ち出し強烈なミドルシュート。無回転で一度右に曲がる感じがして左に流れます。ゴール左上に突き刺さります。

 

メッシのゴラッソでバルサが同点に追いつきます。

 

41分、バルサは右サイドを押し込みメッシが右ハーフスペースに戻します。走り込んだブスケツがダイレクトシュート。ナバスがセーブします。

 

同じく41分、パリ・サンジェルマンのカウンター。中央に流れたムバッペがデ・ヨングを振り切り、ボールを受けて右に流れながらシュート。テア・シュテーゲンがキャッチします。

 

45分、ブスケツが左ハーフスペースのメッシにスルーパス。ＤＦがブロックしてこぼれたボールをグリーズマンがトラップしようとしますが、クルザワが足裏を見せてクリア。グリーズマンに当たり、バルサがＰ．Ｋ．獲得。メッシが思い切り左に蹴りますがナバスが体に当て、ボールはバーにはね返されヴェラッティがクリアします。

 

バルサは勝ち越し点を逃します。

 

1－1の同点で前半を終えます。

 

後半

パリ・サンジェルマンは開始からクルザワに代えてディアロを投入します。

 

後半もバルサペース。3回ぐらい決定機になりそうなシーンがありましたが、直前にパリ・サンジェルマンの守備陣が踏ん張り、シュートは打たせてもらえません。

 

15分、右ハーフスペースのグリーズマンが左のアルバに展開。アルバは中を確認してスルーパス。メッシが後ろ向きに受けて反転シュートもマルキーニョスがブロック。得点を許しません。

 

両チームともに疲れが見え始め、徐々に中盤にスペースが生まれ始めます。

 

23分、バルサの左コーナーキック。ニアでブスケツがフリックシュート。ナバスがファインセーブ。

 

28分、左からメッシのフリーキック。ＤＦにはね返されますがこぼれ球をトリンコンがダイレクトボレー。ＤＦがブロックします。

 

39分、ハーフウェーラインを超えた辺りでアルバが右ハーフスペースのグリーズマンにパス。グリーズマンはダイレクトで右のメッシにパス。メッシは縦に持ち出しＤＦを引き付けて右大外のトリンコンにパス。トリンコンはダイレクトでマイナスクロス。イライクスには合わず、イライクスはフリック。ファーサイドのピャニッチはトラップし中へ戻します。走り込んだグリーズマンがシュートも枠の上。

 

44分、パリ・サンジェルマンのカウンター。イカルディが左のムバッペへパス。ムバッペはドリブルで持ち上がりマークに来たラングレをシザースで縦にかわしてシュート。枠の上に外します。

 

1－1で引き分け。通算スコア5－2でパリ・サンジェルマンが勝ち抜きました。

 

気になったプレーヤー

パリ・サンジェルマン

＃1ナバス

この試合のMOM。ナバスがいなかったらバルサが勝ち抜けをしていたかもしれない。それぐらいファインセーブを連発。

 

＃7ムバッペ

ミンゲサ、ジュニオールに完敗。ただ、前半41分のカウンターからのシュートはすごい。あの体勢でシュートをファーサイドへ飛ばすのは体幹がないとできないし、点取り屋の一瞬のスキを見逃さずシュートを打つタイミングです。（※私は草サッカーでＦＷをやっているので、シュートを打つならあのタイミング。そのタイミングを逃すと仕切り直すしかない。）将来スピードが衰えても点取り屋として活躍できそうです。

 

＃9イカルディ

目立たないけど、ムバッペの能力を引き出す選手。シュート性のボールも難なく止めてはたく。ポストプレーが上手い。

 

バルセロナ

＃10メッシ

同点ゴールは一見の価値あり。守備も含めてハイパフォーマンスを魅せる。これから守備も頑張りながらチームを引っ張れば、来シーズン以降チャンピオンズリーグ制覇も見えてきそうです。それぐらいインパクトのあるプレーでした。

 

＃7グリーズマン

バルサ入団以来最高のパフォーマンスを魅せる。攻撃ではバイタルエリア、ハーフスペースに頻繁に顔を出して攻撃を活性化。守備でも手を抜かず奔走。難しいことを考えずに全力を出してプレーするのが良さそうです。

 

＃16ペドリ

グリーズマン同様、バイタルエリア、ハーフスペースで頻繁に顔を出して攻撃を活性化。

 

＃11デンベレ

キックの技術不足を露呈。シュートは決められない、ラストパスは通らない。直前のフリーランニングは素晴らしいのでキック技術のなさが目立ってしまった。逆にムバッペのシュート技術があれば、2点は奪えました。

 

＃28ミンゲサ

開始からムバッペを抑え込む。イエローカードをもらい消極的になったところで失点をｋらってしまったが、プレーの内容は素晴らしかった。

 

＃24ジュニオール

ミンゲサの後を受け継ぎ、ムバッペをマーク。後半44分のプレー以外は完封。本職のポジションではないもののバルサ入団以来最高のパフォーマンスを見せる。

 

総括

パリ・サンジェルマン

第1戦は完全に試合を支配したが今回はバルサに完敗。ナバスがいたから引き分けに終わったが、終始主導権を奪われる。試合前にバルサの3－5－2までは読んでいて、左サイドをムバッペがカウンターで仕掛けるプランだったように見えたが、バルサの前からプレスをかけてくるのは想定外だったようで押し込まれてしまった。肝心のムバッペもボールを受けてもゴールから遠い位置でミンゲサにプレッシャーをかけられ、止まった隙にバルサ守備陣にカバーに入られて効果的な働きはできなかった。今回のバルサのような戦術でくる相手の対策を今後考えていく必要がある。

 

バルセロナ

今シーズン一番の試合内容を魅せる。完璧な試合内容で、ナバスがいなければ勝ち抜けを決めていたと思う。デンベレの裏に抜ける動きでＤＦラインを押し下げ、バイタルエリアやハーフスペースを広げて攻撃を組み立てる。ボールを奪われても素早くプレスをかけてボールを回収する。バルサの明るい未来が見えたような気がします。あとはメッシ次第。去就問題もありますが、メッシ自身がどれだけチームのために守備にも頑張れるかで、タイトルをとれるかどうかが決まってくるといっても過言ではありません。メッシの攻撃力を最大限に生かすメッシ依存。どのようにメッシ依存を脱却すればいいかと言われてきたバルサですが、今後はメッシが守備をするかどうかでチーム力が大きく変わるメッシ依存が始まりそうです。

 

おまけ

33歳になって攻撃力の衰えが見えるメッシですが、ここから守備をし始めたらフットボールプレーヤーとしてはさらなるレベルアップを果たすことになります。

 

どこまで上手くなるんだメッシ！！